感染者は西アフリカのシエラレオネ、リベリア、ギニアから、ついにはスペイン、アメリカへ飛び火し、いよいよ日本も対岸の火事ではなくなった。
「WHO(世界保険機関)によれば、感染者は8914人、このうち死者は4447人(10月15日現在)で、致死率も50%から70%に上昇した。ドイツのウイルス学者が“死者は500万人に達する”と発言していますが、あながち誇張とも言い切れない。しかもここへ来て、エボラ出血熱と同じ症状を引き起こす『マールブルグ出血熱』でウガンダの男性が死亡したことも発覚している。二つのパンデミックが起きれば世界が大パニックに陥ることは間違いない」(サイエンスライター)
マールブルグ熱では'05年、アンゴラで感染者約300人が死亡している。すでに今回死亡した男性と接触のあった80人は隔離され、このうち男性の兄弟には症状が出始めているという。ウイルスは形状もエボラ出血熱と酷似しており、感染方法も“血液や体液、分泌物、排泄物の接触”というのが大方の見方だ。
「ただし、咳や、くしゃみなどによる飛沫感染を完全には否定できない。これはエボラ出血熱も同様です。10月12日にはアメリカで患者の治療にあたっていた看護師が、防御服を着ていたにもかかわらず感染したことが判明していますが、その経緯がわかっていない。ウイルスの突然変異の可能性もゼロではない」(同)
世田谷井上病院の井上毅一理事長が警鐘を鳴らす。
「危ないのは治療を行っている現場で、患者と接触した看護師などが手袋やガウンを脱ぐ際、やり方が雑でウイルスをバラ撒いている場合もある。日本では医療機関が心配ないと平静を呼びかけているが、とんでもないことで、日本は自分たちが思っているほど衛生環境はよくないのです。もし感染者が出たらあっという間に広がりますよ」
慌てた時はもう遅い。