問題の警察官は神奈川県警捜査3課の30代の男性巡査部長。この巡査部長は酒を飲んで車を運転し、制限速度を超え、速度違反を取り締まっていた検問を突破した上、物損事故を起こすという四重のトラブルを起こした。
県警によると、巡査部長は8月17日の勤務が終わった後、午後6時頃、同県横浜市港南区の自宅で、缶ビール1本と焼酎水割り2杯を飲んだ上で、コンビニへ行くため自家用車を運転した。午後7時52分頃、時速60キロの制限速度の市道を77キロで走行し、検問中の港南署員らが、速度超過を確認して停止を求めたが逃走。そして、午後7時55分頃、約500メートル先の同区野庭町の民家駐車場入り口の鉄製ポールに衝突した。通行人に頼んで110番した。
その後、現場近くでスピード違反の取り締まりを振り切った車と、ナンバーが一致していることが判明。同署が事情を聴いていた巡査部長に確認したところ、「飲酒がバレると思って逃げた」と認めたという。
呼気からは1リットル当たり0.1ミリグラムのアルコールが検出されたが、酒気帯びの基準となる0.15ミリグラムには達しなかったため、飲酒運転では摘発しなかった。とはいえ、飲酒運転したことに変わりはない。
速度超過も、逃走後にいったん車を見失ったことを理由に、その際には摘発しなかったというから、開いた口がふさがらない。
事が明らかになった県警監察官室では「事実関係を調べて厳正に対処する」とし、速度超過については交通反則切符を切る意向を示したが、身内に甘いといわれても仕方ないのではなかろうか。
(蔵元英二)