鉄人が約3年ぶりにベルト戴冠を果たした。
このタイトルマッチは、10分間チョップ禁止(放った場合は3回で反則負け)、15分時間切れ引き分けで王座防衛となるという小橋に不利なルール。序盤はこの特別ルールが鉄人を苦しめた。
王者・橋の逆水平に「思わず反射的に動いてしまった」と語るように、チョップで反撃。すかさず特別レフェリーを務めたGHCヘビー級王者の秋山準から注意された。ならばと攻撃をエルボーに切り替えるも、ついモンゴリアンチョップを放ち、追い込まれてしまった。
それでも橋の猛攻を耐えしのぎ、10分が経過するとローリング、逆水平、マシンガンと135秒間に合計83発。ありとあらゆるチョップを打ち込んだ。最後はハーフネルソンから剛腕ラリアートで王者をごう沈させた。
これまで黒ベルトの最前線で闘っていた鉄人にしてみれば、未知のベルト。それだけに「とにかくこのベルトを輝かせる。今回はセミファイナルで、前回は第1試合。このベルトの価値を上げていかないとベルトが泣いている」と白ベルトの地位向上を誓った。
すべては秋山との約束を守るためだ。すでにGHC王者の秋山に10回防衛のノルマを課しており「これ(白ベルト)を10回防衛して、その時まで準も防衛し続けると。そしたらその時が来るかもしれない。腎臓がんで果たせなかった夢だからね」。白と黒の統一戦に向けて“鉄人マニフェスト”を掲げると、秋山も「オレも10回防衛しないと」と呼応した。
過去に黒ベルトを前人未到の13回防衛し、絶対王者と呼ばれた小橋。「このベルトを輝かせないと、あいつの言ってる統一戦の価値が無くなる」
白ベルトでも連続防衛新記録を成し遂げ、真の絶対王者になるべく再び鉄人は走り始めた。