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大阪西成区あいりん地区 夏の闇市一斉摘発で判明した無法地帯ぶり

 大阪西成区あいりん地区、南海電車高架下の名物といえば、路上に並んだ何でもアリの“泥棒朝市”。その露店に7月末から大阪府警の一斉取り締まりが入り、道路交通法違反で全てが撤去された。そこで明らかになったのは、約1年前にも行われた大規模摘発とは様相が変わった違法露店の実態だった。
 「去年までは裏DVDやコピー商品、古本などが多く、地区の外から買いに来る客も多かった。それが今は、地元密着型の品を売る店が圧倒的に増えていたんです」(地元ボランティア)

 摘発された中には相変わらず裏DVDのような“趣味向け”の店もあったが、生活に関する物を扱う店がほとんどだったという。
 「衣料品や日用品に加え、薬品も堂々と売られていました。もちろん普通の薬ですが、それでも去年までは陳列棚にもなかったんですよ」(同)

 薬品の場合は使用上の注意書きなどはほとんどなし。簡単な効能が書かれたシールが貼られているだけの代物が売られていたという。さらに驚かされるのは、賞味期限切れ食料品の激安売りだ。
 「どっかのスーパーから回ってきたんやろね。1個100円ぐらいのおにぎりが30円ぐらい、200円ぐらいのサンドイッチが50円前後。毎朝必ず仕入られて並んどるわ。もちろん期限切れいうのは分かっているけど、今の生活保護ではあんなとこでしかモノ買われへん」(あるホームレス)

 摘発直前の朝市ではもちろん一番人気だったが、仕入れから販売まで違法であることは間違いない。
 「仕入費用ゼロで集めたものを、激安とはいえホームレス相手に販売するというのは、これは立派な貧困ビジネスですよ」(別の地元ボランティア)

 今回の摘発では食料品店も根こそぎ撤去されたが、商品が生活の一部に組み込まれているというのが今のあいりん地区の実態。営業再開は時間の問題のようだ。

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