三瓶に限らず、地元に活動拠点を移した芸人は他にもみられる。
「90年代に『ボキャブラ天国』シリーズ(フジテレビ系)などで、ハードな下ネタでブレイクを果たした女芸人コンビであるモリマンは、現在は地元の札幌でローカルタレントとして活躍しています。うち、ホルスタイン・モリ夫はスナックを経営するなど副業にも熱心ですね。2004年に『ギター侍』でブレイクした波田陽区も、2016年から拠点を福岡に移しています。もともと、お隣の山口県下関市出身であり、大学は熊本であったため、九州にゆかりのある芸人といえます」(放送作家)
三瓶の所属するよしもとクリエイティブ・エージェンシーは、『住みます芸人』として日本各地や海外に芸人を派遣している。だが、地元にまったく縁のない芸人も多く、挫折する者も多い。一方で、例外的に地元になじんだ芸人もいる。
「平泉成のモノマネなどで知られる、太田プロダクション所属の末吉くんですね。もともと千葉県出身で、無名時代に同じ事務所の土田晃之に連れられて、長野のローカル放送に出演。その場には、どん底時代の猿岩石の有吉弘行もいましたが、“毒舌キャラ”が長野の県民性にあわない一方で、ほのぼのとした末吉くんは受け入れられました。現在も長野でレギュラー番組を持つほか、家を建てて移住も果たしています」(前出・同)
三瓶は地元出身だけでなく、柔和なキャラクターも福島県民には受け入れられそうだ。新たな活躍に期待したい。