比嘉役を演じた黒木は、戦争体験を周囲に語ることなく過ごしてきた比嘉氏の秘めた苦しい胸の内を、穏やかながら力強い演技で表現している。「想像することしかできないが、こういう悲劇を二度と起こしてはいけないと思って、この役を真摯に受け止めた。伝えていかなくてはいけないこと。多くの方に見ていただきたい」。
7歳(当時)の比嘉が太平洋戦争の過酷な沖縄戦を生き抜いた実話を基に、命の尊さ、戦争の悲惨さを伝える骨太な社会派ドラマ。比嘉氏の子供時代を熱演した八木の「戦争は生き残ればうれしいだけじゃない。大切な人がいることを教えてもらった」という言葉に、黒木と比嘉氏も大きくうなずいていた。