「私は元々、ズボラな性格ということもあり、神経質な彼と付き合った時は苦労しました。デートの時は1分でも遅れてしまうと、すごく機嫌が悪くなりますし、相手の家に行った時も、部屋の物には絶対触らせてくれません。他にも、一緒に寝ている時、私が寝返りしたりスマホの光を照らすだけで、彼はすぐに目を覚ましてしまうため、トイレに行くのも我慢したりしていました」
杏奈さんの彼は、自分の中で決めた絶対的なルールを守る人間だった。そして、付き合っていくうちに、他にも異常なこだわりがあることがわかったという。
「ある日の午前中のことです。彼と待ち合わせ前にコンビニへ寄ったので、自分の分と一緒に『午後の紅茶』という飲み物を彼のために買ったんです。そして、彼と会った際に、飲み物をあげたのですが、まったく飲む素振りを見せない。それで『喉渇いてないの?』と尋ねると、彼は『午前中だから飲めない』と言ったんです。さすがに最初は、私を笑わせるために冗談を言ったんだと思いました。でも、彼は本気で『午後の紅茶』を午前中に飲むことを嫌がっていましたね。どうやらタイトルと現実の時間軸が違うことが、どうしても許せないらしく、飲むと気持ちが悪くなるのだとか。彼は紅茶が嫌いなわけではなく、時間の指定を絶対守りたいのだそうです。それ以外にも、商品名に『〜の晩御飯』とか、時間帯が指定されているものは、タイミングを図るとのこと。さすがにこのこだわりには、引いてしまいましたね」
その後、様々なルールがある彼と付き合うことがストレスとなり、杏奈さんは別れたという。
写真・yamimi