「首相は『いずれも問題はない!』と強気の姿勢を崩さないが、顔色が悪く、相当胃にきている様子なのです。ちなみに、この事態は閣僚4人の不祥事で火だるまとなった第一次安倍内閣と酷似している。そのため、『早晩政権を投げ出すのでは?』との見方も高まっているのです」(政治部記者)
実際、こうした見方が絶えないのは、4月に統一地方選が控えているから。政権支持率が急落すれば自公の大敗必至の状況となり、民主党からもぎ取った政権が再び揺らぐ可能性が高いからなのだ。
そのため、永田町では“ポスト安倍”を巡る動きが活発化。ある人物たちに注目が集まっているという。
「それが、首相の懐刀である菅義偉官房長官と甘利明経済財政担当相なのです。一強政治を貫く安倍には後継者がいないとされてきたが、今や政権は2人の舞台回しで動いているともっぱら。中でも菅の評判はうなぎ上りで、雪隠詰めの安倍が総理の座を禅譲、甘利を腹心とする菅が首相に上り詰める可能性が指摘されているのです」(自民党議員)
当然ながら、この禅譲論には「ポスト安倍と言われ続けた石破茂地方担当相や麻生太郎財務相も、警戒感を滲ませている」(同)というが、菅氏の勢いは両者の比ではないようだ。
「安倍政権はTPP参加や集団的自衛権の行使、テロとの戦い、JA全中解体などさまざまな難題を抱えているが、陰の政権運営で菅はこれを熟知している。しかも、菅はカジノ特区の建設が決まった横浜を地盤としており、利権とともに今やその注目度は絶大。そのため、『石破や麻生の出番はない』との声もあるほどです」(別の政治部記者)
果たして、禅譲論が具体化するのか。この3月の動きが見モノといえる。