今年の期待度ナンバー1は、巨人の大田。あの松井秀喜の背番号55をつけたこともあり、「右のゴジラ」として将来性も買われている。連日の取材攻勢に「気疲れします」と正直に答えるあたりが初々しい。
大型新人といえば、昨年は日ハムの中田だった。しかし、話題になったのはオープン戦まで。結局、1軍のベンチには入らずじまいだった。
大田も中田のようにオープン戦までの選手で終わるのか。球界OBの話。
「巨人と日ハムの違いを、まず考えないといけない。昨年の日ハムは中田に、人気と戦力の両方を期待した。経験を積ませる意味もありオープン戦でがんがん使った。しかし、巨人の三塁は小笠原で不動。打線もクリーンアップは小笠原に李承(イ・スンヨプ)、ラミレスがいる。大田は数年先に出てきてくれればいい。じっくり育てる時間がある。それが、中田と大田が置かれている立場の違いなんだ」
かつての人気はないとはいえ、少しくさり気味になっても鯛、選手層の厚い巨人と、人気も戦力補強もと、常に二兎を追わなければならない日ハムの違いが歴然とある。
「大田がものになるかどうかは、プロのスピードになじめるかどうかにかかってる。投手の球にそうだし、三塁守備でもいえる。守備だけでもいいようなら、開幕1軍はある」(同)
練習でどんなにスタンドに打ち込んでも、生きた球を打てる保証はない。プロの世界はそれほど厳しい。