覚せい剤取締法違反で有罪判決を受け執行猶予中の小向は同日昼すぎ、出演を予定していた東京・浅草のストリップ劇場「浅草ロック座」で1回目の公演を急きょ中止した。小雨のなか朝から並んだファンからは怒号が飛び交い、劇場前は一時騒然となった。
小向をめぐってはAVやヌード作品への出演を禁止する同意書を交わしていた前所属事務所が出演禁止を求める仮処分申請を申し立て、東京地裁が2日に出演禁止命令を下したばかり。しかし、一部報道では本人はやる気と言われていた。
事態は夕方になり急転し、ロック座が公演の見通しが立ったと発表。午後5時からスタートした舞台の第2部に小向が登場することになった。
ハコが大きく普段は空席も目立つが、小向の“勝訴ストリップ”に、一枚8000円のチケットが飛ぶように売れ、場内は約300人の観客で超満員。扉を開け放ち廊下から背伸びをして立ち見する人が出るほどの盛況ぶりでステージは熱気に包まれた。
一回の公演で小向の登場シーンは8度。最初のシーンでは白いパジャマと短パンで枕を抱きながら可愛く現れた。2度目は「ビバリーヒルズ白書」のBGMとともにギンガムチェックのミニスカートにへそ出しルックで登場。男性共演者が小向の服をはぎ取っていくと元アイドルの黒いブラとTバックがお目見え。3度目の登場ではロック調の曲に合わせて客に背を向け、ミニスカートからTバックが見えるほど激しくお尻を振った。きめ細やかな白い肌に、歩く度ぷりんぷりんと揺れる豊満なヒップとバスト。観客は瞬きを惜しみながらため息をもらした。
最も盛り上がったのは白いレースの下着で現れたシーン。小向が観客に背を向けゆっくりとドレスを脱ぐと、レースのブラジャーからうっすら大きめの乳輪に薄茶色の乳首が透けている。舞いながら徐々に客席の方に近づいてくると、柔らかさが自慢のFカップスライム乳が大きすぎたのか、ブラジャーを脱ぐ前にすでに左胸がポロリのハプニング。そして、ついにその胸が露わになると場内は割れんばかりの拍手と歓声に包まれた。86センチの元グラビアアイドルのバストは存在感たっぷり。その後、後ろ向きになった小向がTバックの最後の1枚を足首まで降ろして全裸になるも、同じタイミングで幕が閉じた。
ステージ上の小向に花束を手渡した40代男性は「あれだけ精神的にも辛いなかよくやった。200点以上です。これで彼女も更生して、ストリップ業界も盛り上がればいいですね。全裸になったシーンではヘアが透けないようにちゃんとサポーターを付けてましたよ」と笑顔で語った。
一方で常連でない観客からは「ストリップ小屋なんだから全部脱ぐと思うじゃん」とスタッフにクレームも。
劇場内には、万が一の“ご開帳”を見張る私服警察官らしき姿もちらほら。場内撮影禁止にもかかわらず盗撮してツマミ出された男性もいた。紆余曲折あったストリップデビューだったが、午後9時からの公演も無難にこなし、何よりもステージを楽しんでいた。
◎公演後は終始無言で立ち去る
劇場内ではマスコミを含め一切の撮影機材の持ち込み禁止という厳戒態勢が敷かれたため、詰めかけた報道陣は小向の横顔を一枚でも写真に収めようと、ロック座の正面玄関と後方出口で待機した。
午後11時前、正面玄関の並びの小さな非常階段の前に紺のベンツが停まる。降りてきた私服の男性3人がトランクから巨大な荷物や毛布を持ち、非常階段を昇っていく。あれは大道具係だなと報道陣が思っていたのもつかの間、男性に支えられた小向が足早に非常階段を降りて現れた。
「来た! 来た!」の声で一斉に正面玄関から非常階段前に走る報道陣も空しく、小向はすぐ車の中に。「小向さん何か一言だけでも」の声に無言のまま小向を乗せた車は急発進で走り去った。
前所属事務所と新たに交わした報道規制か。小向は29日の千秋楽終了後にあらためて会見を開く予定という。
(写真=ボディーガード役の関係者に抱きかかえられて劇場入りする小向美奈子=5日午後5時すぎ、東京・浅草のロック座)