プロ転向をめぐり、その動向が注目されている石井は31日午後、都内の全柔連を訪れ、事実上の現役引退を意味する強化指定選手の辞退届を提出した。
当初は16日の講道館杯後にプロ転向を表明すると見られていたが、今回の辞退届提出で総合格闘家への転向は決定的。3日にも今後の進路およびプロ入りについて本人の口から表明される見込みとなった。
石井が柔道界から“引退”したことで、総合格闘技界も石井獲得に動き出すことになる。これまでプロ転向後の主戦場は、DREAMになることが有力視されてきたが、この日は本命のDREAMばかりか戦極も獲得に乗り出すことを表明。2大メジャー団体が争奪戦を演じるのは必至だ。
大みそか「Dynamite!!」で、リング上からあいさつすることが報じられたDREAMサイドは、この“参戦あいさつ計画”について否定。大みそかデビューは消滅したものの、笹原圭一プロデューサーが「学生ですので、すぐにデビューするということはない。話し合いを持ちたい」と獲得に向けて前向きな姿勢をみせた。
一部では「Dynamite!!」で打撃なしルールでの参戦も取りざたされているが、DREAMサイドは石井との接触、交渉を否定。現時点で契約にまでは至っていないようだ。
石井獲得に慎重なDREAMとは対照的に戦極サイドは積極的だ。主催するワールド・ビクトリー・ロード広報の國保尊弘取締役は「アマチュア界や柔道界に数多くのラインがあるので、すぐにでも動きたい」と交渉に意欲を見せた。
「格闘技(に参戦する)というなら、メダリストがそろっている戦極に来てほしい」「ぜひ(吉田秀彦、瀧本誠に続く)3人目のゴールドメダリストとして上がってほしい」などと熱烈なラブコールを送った。
プロ入り秒読みの石井をめぐりぼっ発した争奪戦。注目の金メダリストが立つリングは、DREAMと戦極どちらになるのか。それとも、2大メジャーイベントではない第3のリングが浮上するのか、今後の展開から目が離せない。