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溶けないアイスで注目 イチゴポリフェノールの効果

 巷で噂の“溶けないアイス”が開発されたきっかけは東日本大震災。特許者である金沢大学薬学部の太田富久名誉教授の目標は、医療分野への貢献だという。同大薬学部のチームがイチゴ産地で名高い宮城県岩沼市で、イチゴ栽培の復興を手伝っていたときのことだ。
 規格外のイチゴをエキス化してクリームを作ったところ、パティシエから「形が崩れなくなった」と教えられた。そこから『イチゴポリフェノール』がアイスを溶けにくくするのを発見したのだ。

 今では30℃を超える真夏でも2時間は溶けないアイスを開発し特許を取っており、同大薬学部と連携した大学発ベンチャー、(株)バイオセラピー開発研究センター(本社:石川県金沢市)は、7月に『金座和(かなざわ)アイス』と名付けた専門店を東京・原宿の竹下通りに出店した。
 「金沢の直営店からスタートした事業でした。溶けないアイスの値段はオール税込み500円。店内にはドライヤーがあって、温めて食べるとまた違う食感が楽しめます。シンガポールや香港にも進出計画が進行中です」(バイオ社)

 そもそもイチゴポリフェノールで取った最初の特許は、抗がん剤や免疫抑制剤の効果を持続させる酵素阻害剤だ。従ってバイオ社や太田名誉教授が目指すのは「がん治療」の分野だ。
 「人の体の中には異物を代謝する“代謝酵素”があり、異物である薬も人体に入ると代謝されてしまい薬効は“何分の1”にまで減少します。もし薬の効き目を100%に高めることができれば、飲む薬の量を減らすことができ、例えば、副作用の強い抗がん剤の投与量を半分に減らすことが可能なら、それだけ副作用を減らすこともできます。イチゴポリフェノールを使うと抗がん剤が溶けにくいので、健康な細胞を傷つけずにがん細胞まで届かせることができるのではないでしょうか」(同)

 実にナイスなアイスだ。

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