橋下氏は、大阪都構想実現のために国や既成政党に協議を申し入れ、それが不成立に終わった場合は「国政進出」を目指し、次回の衆議院選挙に関西から候補者を擁立することを明言している。となれば、ついに地方分権を目指す全国の地域政党の連合体維新政党の誕生となるだろう。
「そのメンバーは中田宏元横浜市長、大村秀章愛知県知事、河村たかし名古屋市長、東国原英夫前宮崎県知事、そして石原慎太郎東京都知事の名前が挙がっています。また民間では、辛坊治郎氏の“晴れての参加”の噂も。もし実現すれば、自民、民主の二大政党に匹敵する強力な第三極が誕生することになります」(府政担当記者)
このような状況下、既成勢力の中からも早くも合流、連帯の動きが表れている。まず動いたのは国民新党の亀井静香代表で、「維新の会と連帯する新党結成」をブチ上げた。民主党の小沢一郎元代表も、ここにきて突然、野田総理の増税路線を批判し「行政改革を最優先すべき」と政権批判を公然と始めている。
「このタイミングでこの発言。聞きようによっては維新の会へのエールですよ。それに、小沢事務所からは維新の会の選挙サポートになんらかの支援があったのでは、という噂もあります」(府政担当記者)
既成勢力の中で唯一、公然と維新の会の支持を打ち出していたのが、みんなの党だ。同党では渡辺喜美代表が再三来阪し、維新の会との強い連携を強調、11月27日の開票時には真っ先に駆けつけ、「今日が日本の夜明けだ!!」とエールを送っていた。しかし渡辺代表は、春の統一地方選挙で橋下知事を「マキャベリスト」と論じ「少し距離を置きたいクール」とも語っていたのだ。その点を渡辺代表に直撃すると「マキャベリストは褒め言葉なんですよ」と手のひら返し。
この他にも、たちあがれ日本が勝手連的に動いており、加えて公明党も今回の選挙を自主投票にしたことを幸いに、維新の会に秋波を送り出しているという。
「たちあがれ日本は、維新の会を結成当時から支援していた部分があります。亀井さんの国民新党も含め、元はといえば自民党の右派。根っこは同じなんですよ」(前出・府政担当記者)
自民党・民主党の市会議員の中にも「公務員条例などの改革協議には応じるべき」との声が上がり出した。泣く子と橋下徹には勝てない、究極の“この指止まれ状態”は、もはや止まりそうにない。
前出の元議員は、これから起こるであろう維新の会の熱狂に関し、次のように語る。
「既成政党には、うろたえるな、と言いたい。浮き足だったら終わりです。橋下さんという人は頭弁護士、腹詐欺師。これから必ずボロが出る。その時に真価を問われるのが、抵抗勢力としての既成政党だということを忘れてはいけません」
W選挙の圧勝が日本に夜明けをもたらすかどうかはわからない。だが、激動の時代の幕開けになるのは確かのようだ。