突然の会談は世界に衝撃を与え、CNNを含めた米テレビ各局は、深夜にもかかわらず実況中継したほど。
「G20大阪サミット後、トランプ氏が韓国に立ち寄った最大の目的は『この瞬間』のためだけです。トランプ氏の頭の中は来年の大統領選しかなく、この会談は外交の成果をアピールするパフォーマンスでしかない」(国際ジャーナリスト)
しかし、2018年6月に行われた初の首脳会談から現在に至るまで、米朝交渉の本来の目的だった北朝鮮の「完全かつ不可逆で検証可能な核廃棄」について、実質的な進展は一つもみられていない。
「北朝鮮の核戦力は、現段階でいかなる大国に対しても、数千万人規模の被害を与えることができる可能性が高い。もはや北朝鮮を『核保有国』として待遇しなければならない時期に来ています」(軍事アナリスト)
北朝鮮が核保有国として黙認された場合、日本も黙ってはいられない。
「日本が採りうる対北朝鮮戦略として、核武装も考えられる。NATO(北大西洋条約機構)で行われている米国による核兵器の欧州配備と同様、米国による『持ち込み』を容認する選択肢も浮上してくる」(同)
周知のように日本には、核兵器を「持たず、作らず、持ち込ませず」の「非核三原則」がある。「持ち込み」を許すとなると、国会が紛糾しそうだが…。
「実は、“重大な局面”や“危機的状況”において、『持ち込み』の禁止が撤回される可能性は、すでに民主党政権時に示されており、この方針は安倍政権にも継承されています」(同)
被爆国が「非核三原則」を放棄すれば、国際的な非核化の流れは後退する。日米の政治屋の権力維持のために、世界平和が遠のくのであれば本末転倒だ。日本はアメリカの「核の傘」の下にいるのは事実だが、本来なら“核”もいらなきゃ“傘”もいらないはずなのだ!