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その他 2014年07月31日 11時00分
専門医に聞け! Q&A 歯周病と「NASH」の関係
Q:仕事で知り合いの人が最近、「NASH」という肝臓の病気になりました。彼はお酒はほとんど飲みません。NASHは歯周病が原因で発症するというのは本当でしょうか。とすると、私は歯周病があるので心配です。大丈夫でしょうか。(46歳・写真スタジオ経営) A:NASH、つまり非アルコール性脂肪肝炎は、その名のとおり、飲酒に関係なく発症することがわかっていました。突然、脂肪肝や肝炎になり、ひどいときは肝硬変に進みます。 肝臓病の原因にウイルスがありますが、NASHはウイルス感染も関係ありません。つまり、原因は不明とされてきました。そもそもアメリカ人に多く、肥満などが原因ともいわれてきましたが、詳しいことはわからないままでした。 それが歯周病の細菌が原因として関係していることがわかってきました。2年前には、横浜市立大や大阪大学などの研究チームが、「NASHの患者が歯周病菌を保有する割合は健康な人の約4倍と高く、歯周病の治療で肝機能が大幅に改善することを突き止めた」と発表したのです。 NASHの患者102人を調べたところ、歯周病菌の保有率は52%で、健康な人の約3.9倍でした。また、肥満のマウスに歯周病菌を投与すると、3カ月後に肝臓が平均で約1.5倍に肥大化し、肝炎が悪化したそうです。●まずは歯周病の治療を さらに、歯周病のNASH患者10人に、歯石を除去したり抗生物質で歯茎の炎症を抑えたりする治療を行った結果、3カ月後には平均で肝機能の数値がほぼ正常になったといいます。 私は歯科医師ではありませんが、口呼吸がさまざまな病気を引き起こす原因になると確信しています。口呼吸は口腔内の細菌を繁殖させ、歯周病の発症や悪化を促進します。 さらには、それが咽頭感染症を引き起こし、さまざまな病気の発症に関係してきます。口呼吸の改善のために私は、口の体操「あいうべ」を長年指導してきました。 歯周病がひどくなるのは、免疫力がまだ保たれている40、50代で、これはNASHの好発年齢と重なります。このことも、両者の密接な関係を示唆しているといえるでしょう。 NASHの予防は歯周病の予防・治療です。ご質問の方はまず、歯周病を治療しましょう。また、口呼吸の習慣があるなら、ぜひこれを直すことが求められます。今井一彰氏(みらいクリニック院長) 山口大学医学部卒業。東洋医学などさまざまな医療を駆使し、薬を使わずに体を治していくという独自の観点に立って治療を行う。日本初の靴下外来も設置。
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芸能 2014年07月30日 16時00分
キムタクに傷を負わせた三中 「めちゃイケ」スタッフから煽られていた
26日、27日に放送されたフジテレビの「武器はテレビ。SMAP×FNS27時間テレビ」で、「めちゃ×2イケてるッ!」メンバーとの水上相撲対決が行われた際に、三中元克がSMAPの木村拓哉に傷を負わせるというハプニングが起こり、ネット上では三中に批判が殺到した。 木村の左脇腹が赤く腫れ上がり、左太ももには血が滲むほどの引っ掻き傷があった。直ぐさま三中は土下座で謝罪。木村は「大丈夫だよ」と笑顔で対応し、現場は悪い空気にはならなかったが、ネット上で「これは引いたわ」「ほんと空気読めないただの素人デブ」「怪我させるとかマジあり得ない」「ムカつくわ」「素人だからって許されないだろ」と三中に批判が集中し、ニュースとしても話題となった。 一連の騒動に27日未明に放送されたラジオ番組「極楽加藤・よゐこ有野のオレたちゴチャ・まぜっ!〜集まれヤンヤン〜」で、「めちゃイケ」メンバーとして出演した加藤浩次とよゐこの有野晋哉が、水上相撲対決の舞台裏を明かした。 SMAPに負けまいと「めちゃイケ」メンバーはスタッフからかなり気合いを入れられていたらしく、有野は「めちゃイケサイドも絶対負けんなよって。みんなで昼間っから言うてたから、何回も稽古して何回も投げられて」と明かし、本番2時間前から「ガリタ」でお馴染みの明松功プロデューサーにずっと稽古をつけられていたという。 ココリコの遠藤章造は「それ三中くん悪くないな。『めちゃイケ』が悪いな(笑)」と三中をフォロー。加藤は「ぜってぇ負けんなよってみんなに言われてたから」と三中が煽られていたことを明かした。 プロならば上手く立ち回れたかもしれないが、「めちゃイケ」メンバーとはいえ、三中は素人同然。スタッフからの叱咤激励がうまく伝わらず、気合いが空回りしてまったのかもしれない。
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芸能 2014年07月30日 15時30分
久しぶりに“当たり役”をゲットした仲間由紀恵
高視聴率をキープしているNHKの連続テレビ小説「花子とアン」だが、ドラマの中で注目を浴びているキャラクターの1人が、吉高由里子演じる主人公・花子の腹心の友で仲間由紀恵演じる蓮子だ。 「劇中で蓮子は炭鉱王の元に嫁いだものの、帝大生との駆け落ちを決行。このエピソードは史実の『白蓮事件』をもとに描かれている。7月18日に放送された駆け落ちを決行するシーンでは、ナレーションを担当する美輪明宏の『愛の賛歌』がエンディングまで4分にわたってBGMとして流れるシーンは圧巻。今年も美輪の紅白出場はほぼ確定となった」(NHK関係者) 仲間とえいば、「TRICK」と「ごくせん」はそれぞれドラマから映画化されるなど大当たりしたが、ここ数年は女優業が低迷していた。 「主演ドラマが続々と放送されたものの、ことごとく視聴率が低迷。『美しい隣人』と『サキ』(いずれもフジテレビ)では悪役に挑んで新境地を開拓しようとしたが、いまいち空回りしていた。ついには所属事務所も主役にこだわらず、脇役での仕事を増やし始めた。今回のドラマもキャストが発表された時には『まさか、仲間が脇役?』と関係者を驚かせたが、やってみたら役柄が見事にハマった」(同) 「花子とアン」の放送も残り2カ月で、ますます盛り上がりそうだが、「昨年は『あまちゃん』の主要キャスト登場が紅白の目玉企画となったが、今年は『花子とアン』の主要キャスト登場が目玉になりそう」(芸能記者) 事務所の戦略が見事にハマって“当たり役”をゲットした仲間だが、次回作が非常に注目される。
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芸能 2014年07月30日 15時30分
ビートたけしのおんなたち
49歳、キャリアウーマンの愛人と結婚するため、全財産100億円のすべてを夫人に渡すと、一部週刊誌で報じられたビートたけし。資産に関しては否定し、愛人の存在はボヤかしたが、振り返れば、たけしの歴史に愛人は付きものだ。代表例は、“『FRIDAY』襲撃事件”だろう。 1986年12月、交際していた21歳の専門学校生に、執拗なまでの取材を繰り返した同誌編集部を急襲。たけしとたけし軍団の全12名は現行犯逮捕され、謹慎処分を食らった。 ちなみに、その学生との間には90年、女児が誕生。これによりたけしは、長女が自身の愛娘・井子、二女が愛人の子、三女が養子縁組した井子の長女という、不思議な家族関係を築いた。 いっぽう、芸能人の愛人といえば、細川ふみえ。ふたりは、『スーパーJOCKEY』(日本テレビ系列)で共演。次第に、細川が事務所の冷遇を相談する仲になり、たけしの別宅を訪れたところを、写真週刊誌『FOCUS』に撮られた。94年にバイク事故を起こした際は、愛人・細川宅に向かう最中だったといわれている。 90年代後半、愛人の座に収まったのは、女優・大家由祐子。たけし映画にも出演し、8年ほど関係は続いたが、やがて破局。のちに、一般女性と交際していたが、こちらもすでに別れている。 駅売店のキオスクで甘栗を買った際、電話番号を渡されたことからはじまった恋愛もある。後日、女性宅に押しかけると、ちゃぶ台を祖父母が囲んでおり、トイレ・風呂なしの極貧家族だったことが判明。見るに見かねて、白いマンションを買って与えた。すると、その付近で強姦事件が発生。女性宅にも警察が訪れ、指紋を採取した。すると、“FRIDAY事件”の際に採取していたたけしの指紋と一致。強姦魔と疑われてしまった。 齢67の男。こと女にかんしては、バリバリの現役。この先まだまだ、スキャンダルの渦中にいるだろう。(伊藤由華)
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レジャー 2014年07月30日 15時30分
キャバ嬢が生まれる瞬間(9)〜親の借金を返すためにキャバクラ嬢になった女〜
牧野玲奈(仮名・25歳) 私がキャバクラで働き始めたキッカケは単純に親の借金。母親は何年も前に家を出て行き、それからは父親と祖母の3人暮らし。私も成人したら出て行こうと思ってたけど祖母をこのまま残しておけないから、一緒に住んでいる。父親は酒に溺れたり、暴力を振るうようなことは一切ないけれど、ろくに働かず、いつも家で寝ているような人。おばあちゃんと私で必死に仕事をするよう今まで何度も説得したけどまったく効果がない。 キャバ嬢になる前は、仕方なく普通のバイトを掛け持ちしたりしてギリギリの日々を送ってた。そんな中で求人誌で見かけたキャバクラでの1日体験。本気で腰を据えて働くつもりなんてなかったんだけど、何度か体入するうちに、スタッフや環境的にも落ち着ける場所が見つかってキャバ嬢としてやっていくことに。 私にはキャバクラを始める前から、結婚を考えている恋人がいた。彼には家庭の事情も話していたし、やむを得ぬ理由で水商売の世界で働くことも理解してくれていた。キャバは最初、お金稼ぎのための仕事って割り切っていたはずなのに、働いてると段々自分の人格や思考が変わっていくんだよね。だってお客さんから食べたこともない高級料理にいつも連れて行ってもらったり、高級なプレゼントだって貰えちゃう。そんな環境にいると、世界は私のために回ってる! ってのは言いすぎだけど、バカみたいに強気になってた。当時、彼のことが好きだったはずなのに、心配してかけてくれる言葉のすべてが耳障りに聞こえて、反発を繰り返す日々。当然ながら彼は私から離れていった。それで彼がいなくなってから初めて、ちょっと自分が浮世離れしてきていることに気付いたんだよね。そこで少し反省もした。 今後、親の借金を返した後も、この仕事は続けるつもり。でも何の目標も持たずにお金のためだけにダラダラ働くのは避けたいって思う。大切なのは今後、自分が何をしたいか。ちゃんと目標を決めないと、また夜の世界に心を全部持っていかれそうになるから…。 お金を貯めたら何をしよう。例えば事業を始めるとか、お店を持つとか? 何ができるかなんてまだ全然わからないけど、夢を見つけて今後もキャバ嬢としてがんばりたい。もしも何かお店を始めたら、私が返した借金分くらいはグータラ親父を引っ張り出してでも、手伝ってもらわないとね。(取材・構成/篠田エレナ)
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芸能 2014年07月30日 15時06分
椿鬼奴は「酔っぱらうと、いい女にみえる」と華丸が発言
ファンケルヘルスサイエンス「ウコン革命」PRイベントが30日都内で行われ、博多華丸・大吉、椿鬼奴、マテンロウが出席した。 PR大使に就任した華丸・大吉は後輩の飲み仲間鬼奴、マテンロウを招いてビール片手にトークショーを展開した。 酒が大好きという華丸、大吉、鬼奴の3人。鬼奴は「昨日も深夜2時頃まで友達の家でビールを飲んで、その後場所を変えてまたビールを飲みました」と話し 、華丸は「毎日飲んでいます。芋焼酎を2、3人で4本くらいは開けますね」、大吉は「一晩で二升は飲みます。奴さんも僕らと同じペースで付いてきます。一緒に飲んでいて楽しい女芸人の1人ですね」とニッコリ。また華丸は「酔っぱらってくると、奴さんがいい女に見えてくるんですよ」と衝撃発言。 また無類の酒好きとあって失敗談も数々。華丸は「酔っぱらうとすぐ寝ちゃんです」、大吉は「ホテルの廊下で素っ裸で寝ます」、鬼奴は「汚ないですが、エスカレーターで吐いて下に流れて参りました」と告白。最後に全員で「お酒の前はウコン革命!」とPR。(アミーゴ・タケ)
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芸能 2014年07月30日 15時00分
細マッチョと話題のHey!Say!JUMP 中島・高木の“ハダカ”
前評判を覆すほどの視聴率を獲得しているのがフジテレビの深夜ドラマ「水球ヤンキース」だ。 ジャニーズの人気グループ「Hey!Say!JUMP」の中島裕翔が主演し、高木雄也も出演しているドラマだ。「この枠は前クールが沢尻エリカが主演して話題となった『ファースト・クラス』。深夜にも関わらず最終話は二桁視聴率とヒット作だったので、下手な数字は取れないとプレッシャーもあったでしょうが、初回が 8.8%、二話目が7.2%。十分合格点ですよね」とある制作会社関係者。 このドラマは下馬評では「相当、数字が見込めないのでは」といわれていたのだ。選んだ題材とキャストの関係にアンバランス感があるといわれていたのだ。ある芸能プロ関係者は「水球ってかなりハードなスポーツなので、やっている人はかなり体がガッチリしている。試合するとか、相手チームが出てくるようなシーンになれば当然、それらしい人を用意しないとドラマの作りがチープになるんですが、主演がジャニーズタレントでしょ。どうやっても、そこまで体を鍛え上げられなくて、他のキャストなどと比べて違和感が出るだろうといわれていたんです」という。確かに筋肉隆々でマッチョのジャニーズタレントというのはいない。 ただ、そんな不安を払拭したのが中島と高木の体だ。「彼らも鍛えたといっていましたが、筋肉隆々とはいかないまでも、かなり細マッチョの体に仕上げてきた。あれなら、水球をしているといって遜色はない。そもそも裸というのは、ハマれば相当話題になるもの。昨年の大河ドラマ『八重の桜』で裸が話題になったのが西島秀俊ですが、そこまでの話題とはいかなくても、2人の裸はありになってくるかも」と同関係者。 数字の推移が楽しみだ。
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スポーツ 2014年07月30日 15時00分
俺達のプロレスTHEレジェンド 第32R 実力を裏に秘めるダーティー王者〈ニック・ボックウィンクル〉
「相手がワルツを踊れば私もワルツを踊り、ジルバを踊れば私もジルバを踊る」 “王者の条件”を語ったこの言葉、実はニック当人ではなく、やはり名レスラーであった父からの教えだというが、ニック自身がこれにふさわしいレスラーであったことは間違いない。 王者として世界各地を転戦する中で、その土地のローカルヒーローの持ち味を存分に引き出し、しっかり持ち上げた上で王座を防衛してみせる。絶対的な強さを誇ったルー・テーズやバーン・ガニアらの時代とは違って、「次にやれば地元選手も勝てる」と各地のファンに思わせるのが、その当時の王者の真骨頂だ。 ただAWA王者として君臨していたころのニックは、同様のスタイルだったNWA王者ハーリー・レイスに比べて「一枚落ちる」というのが日本での一般的な印象ではなかったか。 「レイスが馬場とのタイトル戦を繰り広げていた1980年の前後に、ニックは国際プロレスで大木金太郎やラッシャー木村と闘っていて、大木とは引き分け、ラッシャーとの対戦では反則負けですから、どうしてもニックの評価は低めになりがちでした」(プロレスライター) あくまでもニックは、最後に反則かリングアウトで逃げる“ダーティーチャンプ”であり、その“強さ”について言及されることはほとんどなかった。だが、その来歴を見れば文句の付けようのない実力派であったことがわかる。 まず、AWA王座を最初に戴冠したのがその証拠だ。ガニアが王座を譲るにあたってはニックとビル・ロビンソンの2人が候補に挙がり、結果選ばれたのがニックだった。「自我の強いロビンソンに比べて王者にふさわしい器量がある」と性格面が考慮されたことも確かだが、しかし欧州仕込みの本格派であるロビンソンと比べて明らかに実力が劣るようならば、選ばれることもなかっただろう。 またその以前、日本においても高評価を得ていた。1970年、日本プロレスへの来日時のことだ。『NWAタッグリーグ戦』として開催されたこのシリーズ、当初外国人側の目玉とされていたのは初来日となるアーニー・ラッドであった。アメリカン・フットボールのスター選手でフリッツ・フォン・エリックからタイトルを奪ったこともあるラッドは、当然タッグリーグでも優勝候補筆頭とされたが、結果的に決勝に進んだのはニック&ジョニー・クイン組。 「ラッドとロッキー・ジョンソン(元WWE王者ザ・ロックの父)のコンビのチームワークが拙かったのもあるけれど、ニック組が思いのほか良かったからこそ決勝に抜擢されることになった」(当時を知る記者) 後に王者になってからの受けのスタイルではなくテクニカルかつスピーディーな試合ぶりで、アントニオ猪木&星野勘太郎との決勝戦では息をもつかせぬ攻防を繰り広げて60分時間切れ。延長戦でニックは猪木の卍固めに敗れたものの、日本のプロレス史上においてもタッグマッチの名勝負の一つに数えられる激戦となった。 そんなニックの“強さ”が再度クローズアップされることになるのは1984年、ジャンボ鶴田とのAWA王座戦だった。 結果鶴田が戴冠することとなるこの試合で、ニックは序盤から猛攻を仕掛ける。それまでの、のらりくらりと相手の攻めをかわす試合ぶりとはうって変わり、腕関節をメーンに攻め続けるニックに対し、鶴田はなすすべもないといったふうであった。 「そんな強いニックに勝ったからこそ、鶴田の王座奪取も価値あるものになったという面はあるでしょう」(前出のプロレスライター) このとき、王座戦は2試合組まれていて“いったん鶴田が王座になるも次戦で奪還される”との見方も強かったが、王者鶴田の初防衛戦は両者リングアウトで防衛成功となった。 「この試合後の鶴田はヘロヘロで、後に長州力との60分時間切れの試合での余裕ぶりと比べれば、ニックの力量が推察されるのでは」(同ライター) 実力を裏に秘めながら王者のふるまいに徹した名レスラーであった。〈ニック・ボックウィンクル〉 1934年、アメリカ出身。名ヒール選手ウォーレン・ボックウィンクルの息子として少年時代から巡業に同行し、15歳でデビュー。'75年にAWA王座初戴冠。以後、AWAの顔として一時代を築く。全日、国際、新日に参戦。
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社会 2014年07月30日 13時00分
世の中おかしな事だらけ 三橋貴明の『マスコミに騙されるな!』 第86回 正しい少子化対策
少子化問題の「正しい解決策」について語りたい。そもそも、なぜ我が国では少子化が進行しているのだろうか。 政府は少子化の原因について、●結婚しない・できない者の割合が増加している●結婚する時期が遅くなっている●夫婦が持つ子どもの数が少なくなっている の3つを挙げている。「結婚しない・できない者の割合が増加している」及び「結婚する時期が遅くなっている」は、確かにその通りである。 だが、「夫婦が持つ子どもの数が少なくなっている」については、実は正しくない。 何しろ、日本の有配偶出生率はすでに底を打ち、回復しつつあるのだ。有配偶出生率とは、有配偶女性1000人当たりの出生数になる。 我が国の有配偶出生率は、平成2年には66人だったのだが、平成22年には79.4人と、長期的には持ち直しの傾向にある(日本の有配偶者出生率は、昭和45年頃には100を超えていたのだが)。 問題はむしろ、婚姻率の劇的な低下(未婚率の上昇)である。 日本の未婚率の推移を見ると、男性の場合1970年には、「25〜29歳 46.5%」、「30〜34歳 11.7%」、「35歳〜39歳 4.7%」だったのが、2010年にはそれぞれ「71.8%」「47.3%」「35.6%」と著しく増加している。 また、女性の未婚率も1970年の「25〜29歳 18.1%」、「30〜34歳 7.2%」、「35歳〜39歳 5.8%」から、2010年に「60.3%」「34.5%」「23.1%」と、これまた大幅に増えている。 要するに、我が国の少子化の「真因」は、未婚率の上昇なのである。 政府は小手先の少子化対策ではなく、若者の婚姻率の上昇を目標に定めるべきなのだ。 若者の婚姻率を高めるには、どうしたらいいのか。 婚活に力を入れるのも結構だが、それ以前に、現代の若い世代が「所得」が少なすぎて結婚できないという、根源的な問題を解決しなければならない。 '98年のデフレ深刻化以降の日本国民の所得縮小は、婚姻率を引き下げ、少子化の主因となっている。 特に、若い世代は、働いて稼ぐ所得で生活必需品を購入するのが精一杯な状況に至っている人が少なくなく(我が国には年収200万円未満の「男性」だけで、600万人もいる)、子供をつくる以前に、結婚できない。 さらに言えば、彼、彼女らは自動車や住宅といった高額商品を、購入することが困難というよりは、不可能になってしまっている。結果、内需が伸びず、生産者の賃金も上がらない。 しかも、消費税増税という強制的な物価引き上げにより、現実の消費や住宅投資が目を覆いたくなるほどの落ち込みになってしまっているのが現在の日本なのだ。 信じがたいことに、政府は国民の(特に若年層の)実質賃金が下落している環境下で、労働規制緩和や外国移民(=外国人労働者)受け入れ拡大に動いている。 現在の日本が「賃金を引き下げる」ことが目的の政策を推進すると、少子化は悪化することはあっても、好転することはない。実質賃金が下がり、「日本人」の少子化が更に進行することになる。 しかも、例えば年間20万人の外国移民を受け入れ、出生率が引き上げられたとしても、それは「移民が多産」であるためであり、日本人が増えるわけではない。 少子化の主因に手を付けず、外国移民に頼り、人口を維持しようとすると、100年後の日本はネイティブな日本人が少数派になっているだろう。 それはもはや、日本国ではない。 2100年を超える「日本国」は、その時点で消滅したも同然になる。 それどころか、少子化による人手不足の対処として外国移民を受け入れ、所得が下がると、若者はますます結婚できなくなり、少子化が進むという悪循環に陥る。 昨今は実質どころか名目金額でみた所得ですら、下落を続けている有様なのだ。 厚生労働省が7月15日に発表した国民生活基礎調査結果によると、2012年の1世帯当たり平均所得は537万2000円と、前年比で2.0%減少した。何と、24年前の1988年の545万3000円をも下回り、データが残る'85年以降では、過去4番目の低さとなってしまったのだ。 さらに、所得金額の分布をみると、200万円以下が19.4%に達している。300万円以下の場合、32.7%。我が国の世帯の3割強が、年収300万円以下なのである。 世帯主の年齢階級別に1世帯当たり平均所得金額をみると、最も低いのが「29歳以下」の323万7000円。世帯人員1人当たり平均所得金額の場合、最も低いのがやはり「29歳以下」の169万9000円だ。 少子化を解消するためには、この層(29歳以下)の所得の押し上げが必須なのだ。 それにもかかわらず、現実の日本政府は所得が低い層の税率が相対的に高くなる(消費性向が高いため)「消費税増税」を断行し、さらに各種の労働規制の緩和や外国人移民受け入れにより、労働者の所得を抑制する方向に動こうとしている。 まずは、日本国民が安倍(晋三)政権の労働規制緩和や外国移民受け入れ策が「少子化促進策」であることを理解せねば、現状は変えられないだろう。 「日本人の少子化」を解消するためには、日本の若い世代の所得を押し上げる政策を打たねばならない。三橋貴明(経済評論家・作家)1969年、熊本県生まれ。外資系企業を経て、中小企業診断士として独立。現在、気鋭の経済評論家として、わかりやすい経済評論が人気を集めている。
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社会 2014年07月30日 12時00分
大手訪問販売化粧品会社「メナード」創業者も登場 華麗なる開成高OBによる“植毛”投資詐欺被害(2)
トシュカは完璧な布陣でスタート、上場を謳い文句に数々の投資家から資金を集めた。 「森上は『20億円集めた。五つのクリニック(当時)の売り上げも順調で、トシュカが上場した折には、あなたの投資金は何倍にもなる』と会うたびに自信満々に説明したものです」(元株主・K氏) 「実は日本メナード化粧品の野々川さんがこの投資金を担保するという『念書』があり、森上はそれを見せながら金を集めていた。その念書の効果が抜群だった」(投資銀行社員) 森上氏は大経営者の保証も得て、まさに飛ぶ鳥を落とす勢いだったろう。 しかし、状況が急変した。 「基本、株式会社は病院の経営ができない。病院の利益をコンサル会社へ迂回させるスキームで上場を画策したが、A監査法人に見破られた。A監査法人は森上にクリニックの財務状況の開示を迫ったが、これに応じなかったため、契約を打ち切られた」(市場関係者) 上場を目指す企業が財務開示に応じない? 「A監査法人の後釜に付いたのが悪名高きR監査法人。それと、H公認会計士、T税理士。2人は、'05年に某クリニックの脱税事件で東京地検特捜部に逮捕、起訴のマエがあります。ちなみにT税理士も開成高校のOBです」(捜査関係者) A監査法人に財務を隠した上、R監査法人や逮捕歴のあるH公認会計士とT税理士が登場。しかもT税理士は、昭和50年卒とはいえ、森上と同窓の開成OBだという。 「R監査法人と、前歴者のH公認会計士、T税理士を連れてきたのは森上。実質的には、クリニックの破綻後、再生終了までの指揮を執っていたのはT税理士。相当ずる賢い人です」(前出の元トシュカ社員) 事業再生再建の名の下、悪だくみ偏差値も高そうな開成OBがつるんで、いったい何をしでかしたのか。 「上場は金を集める口実で、最初から日本での上場はできないと知っていたのでは? 上場準備中の会社が監査法人へ財務開示拒否など聞いたことがない。しかも前歴者の会計士や税理士を引っ張り込むなんて。すべて開成コンビが最初から仕組んだ話に思える」(前出の投資銀行社員) 「日本での上場を断念後、森上は『Tホールディングス(TH)』なる会社を設立して、トシュカを子会社化し、シンガポールでの上場を謳い出しました。おそらく、もめていたトシュカ株主への時間稼ぎ。なぜなら森上は、シンガポールでの公開直前にBNPパリバ銀行シンガポールからTHの預金を担保に1億5000万円もの融資を受けています。その金でハワイのマンションと高級外車を購入した、なんて噂もありました。当然、上場延期です」(前出の市場関係者) 株主たちは完全に裏切られていたのだ。本誌はT税理士の直撃に成功した。 「森上さんはね。学習塾やレーシック治療会社を創業しては投資を募り、焦げ付かせてきた札付きの人物ですよ。ひょっとすると、海外かどこかに資金を隠しているんじゃないかと関係者は疑っていますよ」 何と開成コンビの“相棒”T税理士までもが、森上氏をこう斬り捨てたのだ。