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スポーツ 2019年12月15日 08時00分
プロレスラー世界遺産 伝説のチャンピオンから未知なる強豪まで── 「山崎一夫」ファンに愛された“いい人”の葛藤
現在は『ワールドプロレスリング』中継で解説者を務めている山崎一夫。若かりし頃は“青年将校”と称され、その古風な顔立ちはどこか地味な印象を与えたが、ひたすらサンドバッグを蹴り続けることで身に付けたキック技は、多彩かつ華麗な一級品であった。※ ※ ※ 1985年にUWF軍の一員として新日本プロレスへ参戦した際、元タイガージムインストラクターの経歴が強調されたこともあって、山崎一夫を格闘系からの転向レスラーと思っているファンがいるかもしれない。ちなみに、キック用のスネ当て(レガース)を初めて試合で使用したのも、この山崎であった(師匠格の佐山聡とともに第一次UWFへ参戦したとき使ったもので、同じ日に佐山も使用しているが、試合順で山崎が最初)。 しかしながら、山崎は中学生の頃からプロレスラー志望で、新日の道場で練習生としてトレーニングを積み、高校を卒業してすぐの’81年に正式入門を果たした、れっきとした新日系のレスラーである。 新弟子時代に佐山の付き人となり、佐山が退団後にジムを立ち上げると、これに同調して山崎も新日を退団した。 その後、佐山が第一次UWFを離れる際には、もともとがプロレスラー志望であったことから、佐山の理解を得た上でUWFに残留。前田日明が長州力蹴撃事件で新日から謹慎処分を受けると、髙田延彦とともに独立を進言したというから、第二次UWF旗揚げの陰の立役者でもある。 山崎といえば“いい人”と連想するファンは多い。これは当時、長州が敵対関係にあったUWFインターナショナルの面々に対して、「あいつらが死んだら俺が墓に糞をぶっかけてやる」と罵倒した後に、「でも、山崎はいいやつだから」と続けたことに由来するところが大きい。「第二次UWFが分裂した際、山崎はUインターを選んだ理由について『人数が多かったから』と語っていますが、その真意としては“Uの再結集”があったと思われます。個性の強いレスラーたちの中にあって、自ら調整役を買って出る。そのあたりも“いい人”と呼ばれるゆえんでしょう」(プロレスライター) だが、そうした人のよさは、往々にして都合のいい人として周囲に利用されることにもなる。第二次UWFでは三強、いわゆる“前髙山”の一角とされた山崎だが、Uインターでは露骨に“かませ犬”役を担わされている。「スーパー・ベイダー(ビッグバン・ベイダー)や北尾光司らビッグネームが参戦したときには、まず山崎が闘い、敗れたところで髙田が満を持して対戦するというのが定番の流れでした。また、大物を招聘できなかったときには髙田の対戦相手も務め、ファンからは『困ったときの山ちゃん頼み』などと言われたりもしました」(同) Uインターが髙田を一枚看板としていた以上、山崎が勝利することは興行的な意味からしても許されない。「北尾戦などは、山崎の持ち味であるキックの速射砲に北尾がまったく対応できず、試合前半は山崎が一方的に蹴り続けるという展開でした。最終的には北尾の力任せの攻撃に屈する形となりましたが、その気になれば絶対に勝てた試合だったと思いますよ」(同)★北尾を圧倒したキックの速射砲 プロフィール上で、身長、体重をかさ増し申告するレスラーは多いが、おそらく山崎の身長184センチというのは実寸に近い数字なのだろう。北尾と対峙したときも体重差こそ約50キロほどあったが、身長では決して見劣りしていなかった。だが、人気と知名度がある髙田で商売していこうと考えていた面々からすると、山崎の勝利には価値がなかった。 Uインター移籍後、約6年間にわたってそのような扱いが続いたことで、山崎は「レスラー生活があと何年続くか分からないのに、こんなことをしている場合か」との思いから、古巣である新日へフリーの立場で復帰することになる。 最初の試合は、平成維震軍興行での後藤達俊戦。敵役としての登場であったが、当日は後藤以上にファンからの声援を受けている。「当時、新日の敵と見なされていたUインターを離脱したことで、山崎に対しては“敵の敵は味方”という意識がファンの間にあったのでしょう」(同) その後はトップ獲りまでには至らなかったものの、タッグマッチ3本勝負の2本目でアントニオ猪木からフォールを奪ったり(’95年12月30日)、第8回G1クライマックス(’98年)で準優勝したり(優勝は橋本真也)、随所で見せ場をつくっている。 体調不良により引退を決意した山崎だが、’00年1・4東京ドームで行われた永田裕志とのラストマッチには、第二次UWF解散後、犬猿の仲とも噂された前田と髙田が久々に顔をそろえている。そんなところもまた、山崎の人のよさの表れと言えそうだ。山崎一夫***************************************PROFILE●1962年8月15日生まれ。東京都港区出身。身長184㎝、体重105㎏。得意技/各種キック攻撃、膝固め、ジャーマン・スープレックス・ホールド。文・脇本深八(元スポーツ紙記者)
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その他 2019年12月15日 07時00分
やくみつるの「シネマ小言主義」 安心して見られる、ザッツ喜劇!『カツベン!』
周防正行監督の5年ぶりの新作映画。『シコふんじゃった』『Shall weダンス?』など、これまでの名作にも通じることですが、今、一番「王道の喜劇」を作れる監督です。周防ワールドに身を委ねる気分で安心して見られました。 舞台は今から約100年前の日本。輸入され始めた無声の活動映画をより楽しめるように、当時は活動弁士“通称カツベン”が楽士の演奏に合わせて、映画の会話や筋を観客に語り聞かせていました。活動弁士の存在はもちろん知っていましたし、今も現役で活動されている方もいらっしゃるとは聞いていましたが、実際の仕事ぶりはこの映画で初めて理解できました。当時の弁士は、今をときめく声優かアイドル並みの人気者だったんですね。 意外に思ったのは、語りの部分はそれぞれの弁士の自由裁量に任されている点。人によって全く違う解釈で演じるから、個性の勝負になる。自分はてっきり台本があり、声色だけを変えていると思っていました。 そして、活動弁士そのものが日本固有なんですね。これほど表現力豊かな語り芸を生を見たくなったし、今ならではの活躍の場を考えられるのではと思いました。たとえば、無声のアニメーション全編を弁士さんに語ってもらうとか。 さて、映画では小さい頃からカツベンに憧れ、オタク並みに詳しかったことからニセ弁士になった主人公を、映画初主演の成田凌が熱演しています。朗々たる語りはそれは見事で、少々エロネタっぽい脚色が個性となって、次第に人気を博していきます。 映画の中の無声映画を見ていて改めて思うのは、つい100年前はこんなにたわいないシーンで人々は大笑いしていたのかということ。 でも、本作の地の部分も、無声映画さながらにベタな演出たっぷりのドタバタ喜劇。面白可笑しい動作に笑わされているのですから、人間って100年経ってもあんまり変わらないなぁ、と。 今の時代、CGで100年前の街並みを作り込むことも可能ですが、監督はロケハンに時間をかけて、昔さながらの実写にこだわったそうです。 そして、シャーロット・ケイト・フォックスなど見知った顔が出てこなければ昔の映像をそのまま使ったのかと思うほど、完成度高く作り込んだ無声映画シーン。さらに、おなじみの竹中直人や渡辺えり他の芸達者な役者陣。「本物志向」が幾重にも重なって、老若男女が楽しめるエンターテインメントになっています。 実話の読者の皆さんも、年末年始にご家族とぜひ見に行ってください。画像提供元:(c)2019「カツベン!」製作委員会----------------------------■カツベン!監督/周防正行 出演/成田凌、黒島結菜、永瀬正敏、高良健吾、音尾琢真、竹中直人、渡辺えり、井上真央、小日向文世、竹野内豊 配給/東映 12月13日(金)丸の内TOEI他全国順次ロードショー。■当時の人気職業であった活動弁士を目指す俊太郎は、隣町にあるライバル映画館に客も人材も取られ、閑古鳥の鳴く映画館・青木館に流れ着く。人使いの荒い館主夫婦、傲慢で自信過剰な弁士、酔っぱらってばかりの弁士、気難しい職人気質な映写技師といった曲者ばかりが残った青木館で、雑用ばかり任される俊太郎。そんな彼の前に、大金を狙う泥棒、泥棒とニセ活動弁士を追う警察などが現れ、騒動に巻き込まれていく。********************漫画家。新聞・雑誌に数多くの連載を持つ他、TV等のコメンテーターとしてもマルチに活躍。『情報ライブ ミヤネ屋』(日本テレビ系)レギュラー出演中
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その他 2019年12月15日 06時00分
本好きのリビドー
悦楽の1冊 『貴乃花 我が相撲道』石垣篤志 文藝春秋 1500円(本体価格)★半年間の密着インタビューによる回想録 始めに断っておくと、筆者は小学生じぶんから大の相撲ファンではあるが千代の富士が神。ゆえに身も蓋もなく申せば彼に引導を渡した貴花田(のち貴乃花)や曙が台頭して以降の平成の角界を、内心どこか白けた気分で眺めていた。ケッ、何が若貴フィーバーだよと毒づいていた嫌な高校生だった。だが、本書を一読する限り、貴乃花氏、力士としての肉体よりはるかに人生そのものが満身創痍だったのではないか。贔屓目に見ずともそう切実に痛感させる聞書だ。 宮沢りえ氏との婚約破棄にはじまり、兄との確執、母の不倫、そして最愛の父であり師匠、元貴ノ花の二子山親方の早すぎる死(現役引退時に軽量級の体でどんな重さの相手にも正々堂々と立ち向かった雄姿をたたえたアナウンサーが思わず涙声になったのは有名)。部屋を興せば暴行を受けた弟子が暴力を振るう負の連鎖に加え、巷間取り沙汰される長男の素行と自らの離婚…圧倒的な人気と実力で相撲界に無限の貢献を果たしながら、度重なる不祥事に揺れまくる協会改革のため立ち上がるもののこっぴどい挫折を余儀なくされるまでの道のりが、活字を追うだけでもただただ労しい。 随所に差し挟まれる貴乃花氏の言葉のあまりの純粋さ、真っすぐぶりはぜひ直に接してほしい。力士は単なるスポーツマンにあらず、古代以来の伝統と神事に従うチカラビトの側面を忘れてはならぬ、と語る高すぎる理想の追求はほとんど武士道精神に通じる凛冽ぶり。横綱時代の決まり手がほぼ寄り切りか押し出しなのに似て、一本の道しか直進できなかった男の哀しみが惻々と伝わってくる。 アイヴァン・モリスが日本史上の悲劇の英雄を論じた名著に倣うなら、本誌元記者の手による本書を「高貴なる敗北」の記録と呼びたい。_(居島一平/芸人)【昇天の1冊】 ベストセラーとなった黒川伊保子さんの『妻のトリセツ』(講談社)の続編。今度は夫編。それが『夫のトリセツ』(同/820円+税)だ。妻たちを対象とした夫の取り扱い説明書である。 妻から見た夫とは、「気が利かない」「思いやりがない」「家では何もしない」。実話読者諸兄は、「だから何だよ」と言いたいだろう。だが、妻はこうした点を何とかしてほしい、できることなら変えてほしいと、日夜悶々としている。 そこで、妻に提言しているのが、夫を癒やしてあげること。本書はこのように記している。「(夫は)ウルトラマンである。地球に3カ月の単身赴任。たまに帰ってきて、黙ってご飯を食べて、また出掛ける。ウルトラマンは、妻に弱音を吐かなくちゃ。『今日、ゼットンにここ蹴られて、痛かったの』『大丈夫? うるちゃん、ふぅふうしてあげるね』」 そうすれば、「きみのおかげで、僕はまた戦えるよ」と、ウルトラマンは激務に励むというわけ。 世の中の妻の大半は夫を励ます以前に「あきらめてしまっている」のだとか。つまり本書は「あきらめないで」と、女性たちに説いている。「そんな女房なんていね〜よ」というボヤキが聞こえてきそうだが、確かにそこまで優しくされたら、夫だってガンバル…かもしれない。 高齢化が進み、長生きする以上は夫婦も向かい合わなければならない時代。夫たちも、避けてばかりではなく、少しは向かい合うようガンバってみては?(小林明/編集プロダクション『ディラナダチ』代表)【話題の1冊】著者インタビュー 2丁拳銃・小堀裕之ヘドロパパのヨメイゲン クズ夫に放つ嫁の名言&迷言 小学館 1,000円(本体価格)★最近は家族サービスを頑張っています――家に帰らない、給料を渡さないなど“クズ夫”として知られる小堀さんですが、本当に家族サービスはしないのですか?小堀 皆さんにそう言われるので、実は最近、かなり頑張っています。もう、世間や周りの人がうるさいので…(笑)。でも、他の旦那さんに比べたら、全くできてない方だと思います。――本書には数々の“名(迷)言”が記されています。特に印象に残っているものはありますか?小堀 昔、僕が携帯を忘れて仕事に行った時のことです。嫁さんはチャンスとばかりに携帯を見たんです。それも送信ボックスを(笑)。相手側の甘い言葉より、僕がなんと言っているかを調べたんですね。僕は“プライバシーの侵害”という一点だけの逆ギレでその場をしのぎ、難を逃れましたが、本当に勉強になりました。それから数年後、僕が風呂に入ってる時に、4歳の長男が興味本位で僕のかばんを触り出した時に言ったメイゲン「そこには絶望しか入ってない!」ですかね。――送信ボックスを見るんですね。確かに勉強になります(笑)。やはり、浮気を疑っていたわけですね?小堀 僕と嫁さんは高校の同級生で、高2の夏から付き合い出しました。当時の嫁さんは今では考えられないくらいヤキモチ焼きで、僕がクラスの女子と話しているだけで怒っていました。僕は「将来、この人と結婚する」という確信を盾に、めちゃくちゃ浮気しました(笑)。そして、そのすべてが嫁さんにバレました。デビューしてしばらくして嫁さんが言ったメイゲン「風俗なんて散髪行くのと一緒!」。ん〜、確かにサッパリするという点ではそうなんだけど…(笑)。――相方・川谷さんの妻・野々村友紀子さんからもよく怒られていますね。奥さんよりも厳しいですか?小堀 野々村さんというのは僕らの1つ上の先輩漫才師で、今は放送作家として活躍しています。面白くない方ならいくらでも無視できるのですが、いかんせん面白い。現役時代からガシガシ怒られていましたね。もはや、奥さんよりも厳しく、怖いです。「目から血ぃ出るぐらいおもろいこと考えろ!」と怒鳴られましたが、そんなん、逆に笑えないと思うんですが…。――“ヘドロパパ”言われながらも“家族愛”が感じられる1冊ですね。老後はどんな家庭を築きたいですか?小堀 まぁ、今のままの距離感で十分ですね(笑)。ただ、子供たちには、嫁さんと僕の老後の生活だけはみてほしいですかね。あ、嫁さんの方は大丈夫か…(笑)(聞き手/程原ケン)2丁拳銃・小堀裕之(こほり・ひろゆき)1974年生まれ、奈良県出身。’93年6月に相方の川谷修士と『2丁拳銃』を結成。’94年に爆笑BOOING第7代グランドチャンピオン、’98年にはNHK新人演芸大賞(演芸部門)大賞を受賞するなど、数々の賞を受賞。
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社会 2019年12月15日 06時00分
回転寿司のレーンにカメラを載せ客を撮影し公開 外国人ユーチューバーに怒り殺到【やりすぎユーチューバー事件簿】
昨今、外国人男性ユーチューバーが日本を訪れ、迷惑行為をする動画をアップロードし炎上する事例が相次いでいる。国籍に関係なく不適切な動画は遺憾だが、外国人が日本の文化をバカにした上、なじるようなことをする様子には、さらなる怒りを感じてしまう。 そんな外国人ユーチューバー動画の中で、多くの人を怒らせ、企業が法的措置を検討したのが、2018年に発生した回転寿司店に仕掛けられた不適切動画だ。 動画をアップロードしたのは、東京在住と思われる外国人ユーチューバー。回転寿司店「スシロー」で、回転寿司のレーンに撮影用カメラ「GoPro」を置き、そのまま流したのだ。流れるカメラは、「寿司アングル」で利用客を次々と映していく。 事態の飲み込めていない客の中には、カメラに向かって手を振る人も。そしてカメラはバックヤードに流れ着き、再び別のレーンに出ようとしたところで、店員によって取り除かれた。 バックヤードでは店員がカメラを持って右往左往したが、その際に寿司を作る様子が映り込んでおり、同業他社の人間が見れば「どのように寿司を作っているのか」が丸わかりになる。店員は「重大事態」とは考えていなかったようで、最終的に笑顔でカメラをユーチューバーに返した。 この動画に、日本人が激怒。「不衛生だ」「食中毒が出たらどうするんだ」などの怒りの声が殺到。さらに、スシローの対応についても「なぜ笑って許したのか」「危機感が薄い」「客を守ろうとしていない」と批判が上がることに。 事態を受けたスシローは、公式サイトで「撮影を許可した事実はない」とした上で謝罪するとともに、警察への相談と法的措置に出ることを検討していると発表し、多くの日本人もその動きを支持した。 ところが、2019年12月現在も、この動画は外国人ユーチューバーのチャンネルで見ることができるようになっている。そして、コメントにはユーチューバーが「撮影を拒否されなかった」「スタッフが親切だった」と言い訳し、「そんなに大したことだとは思わなかった」などと釈明するコメントを固定。削除するつもりはなく、現在も日本に関する動画をアップロードし続けている。 スシロー側とどのように話がついたのかなどは、現状掴むことができなかったが、現在も動画が見られるようになっているのは、日本人をナメていると言われても致し方ない。非常に胸糞の悪い動画だ。
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ミステリー 2019年12月14日 23時00分
時代によってマイナーチェンジする?入ってはいけない「八幡の藪知らず」
千葉県市川市にある市川市役所の向かい側に「藪知らず」という史跡がある。何人たりともこの地には足を踏み入れてはいけないと伝承されている“禁足地”である。市川の民話関連の書籍を当たってみると、「この森に入るものは二度と出れない」とか「呪いを受ける」とか様々な噂が江戸期から言われているようだ。 しかし、伝統的な魔所と言っても小さな小さな森であり、国道14号線に接し、頻繁な車の往来にさらされている。時折、近所の民家に干されていた洗濯物が飛来しており、往時の恐怖は微塵もない。いささか興ざめだが、こんもり茂った森の入口には、小さな鳥居が鎮座しており、筆者も毎年のように取材や撮影で訪れている。 ところで、この「藪知らず」はいったい何故、“禁足地=入らずの森”になったのであろうか。伝説では、水戸黄門がこの森に入り込み、沢山の妖怪に襲われたと伝えられている。そして、黄門の前に白髪の老人が出現し、 「この場所は人間の来る場所ではない」 と諭され、以後水戸黄門の指導により 永く同所は禁足地となり、今に至るとされてきた。だが、実際は水戸黄門と言えども、自国の水戸藩領内ならともかく、他人の土地でそんなお節介を焼くだろうか。 調べていくと、不思議なことに伝説の主人公が近代と江戸期では違うようだ。江戸期は水戸黄門ではなく、ヤマトタケルがこの藪知らずに入ったという設定にされており、水戸黄門伝説が語られ始めたのは、講談や映画の『黄門漫遊記』が庶民に浸透した明治・大正以降のようである。つまり、時代時代の人気ヒーローが藪知らずに入った事になっているのだ。江戸期に各地を放浪するヒーローと言えばヤマトタケルであった。それが近代では水戸黄門が放浪するヒーローの座を奪ったため、「藪知らず」伝説においては 主人公の変更が行われたのだ。 それにしても、なぜこのような不思議な伝説が広まったのであろうか。その謎解きについて多くの研究家・好事家が仮説を披露している。 元々将門軍の本陣の死門(かつて同所にあった立看板によると、仙道で言う鬼門という意味らしい)があった場所であり、将門敗北以降は不吉とされて禁足地になった。或いは、将門配下の七騎武者が同地にとどまり息絶えたから禁足地になったとも言われている。 現実的な解釈としては、他領の飛地であったため、近隣の住民の侵入が禁止されたという説や、将門を討ち取った朝廷側の陣地であったため、将門びいきの地元住民が避けたという説もある。 これは筆者の推論に過ぎないが、藪知らずの藪は付近にある葛飾八幡宮の鬼門の護り(あるいは裏鬼門)ではないだろうか。神社の鬼門に藪を設置する考えは、新編武蔵風土記にその習慣が記述されている。鳩ヶ谷中居村(現鳩ヶ谷市八幡木)の八幡宮の鬼門に竹藪があり、その中の木に触れると祟りがあるという記述である。 特に八幡は武芸・戦争の神として源氏系の武士の信仰を集めたが、鬼門封じとしても珍重された。頼朝が幕府を開いた時、鎌倉幕府の鬼門を守るために「鶴岡八幡宮」を創建したことはあまりにも有名である。 つまり、八幡は都市や組織の鬼門を護る霊的システムであり、同時に八幡自身の鬼門・裏鬼門は「藪」に護らせたのではないだろうか。となると「八幡の藪知らず」とは、何かの鬼門封じの残骸かもしれない。つまり「葛飾八幡宮」の裏鬼門(南西)を守護しており、それが変じて怪異な伝承が生まれたのではないだろうか。(山口敏太郎)
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社会 2019年12月14日 22時30分
缶烏龍茶に致死量20人分の青酸化合物、スーパーの毒物混入事件の犯人像は【未解決事件ファイル】
1998年8月31日、長野県小布施町に住む当時58歳の男性Aさんが家にあった缶烏龍茶を飲み干した後意識を失い、その後死亡する事件が発生した。翌日には隣の須坂市内にあるスーパーから変形した缶烏龍茶が見つかり、警察は捜査を開始。長野県にある街で一体何が起きたのだろうか。 8月31日、缶入りの烏龍茶を飲んだ後に突如意識を失ったAさんはすぐに救急車で運ばれたものの、病院に到着した時には既に心肺停止状態だった。医師による治療も行われたが、午前9時12分には死亡が確認された。病院側は死因を心不全と診断したものの、念のために警察に検視を依頼。しかし、警察による検視でも異常は見られなかったため、そのまま心不全として処理されることとなった。 事態が動いたのは、翌日の9月1日午後1時過ぎ。Aさんも利用していた地元スーパーで不審な缶烏龍茶が発見されたのだ。店内の在庫管理をしていた店長が缶烏龍茶の変形を確認し、売り物にならないことから自ら飲むことにしたという。しかし、缶烏龍茶を一口飲んだ店長はすぐに中身の異変に気付く。普通の缶烏龍茶とは異なる異臭と苦みの強い味がしたそうだ。店長は警察に不審物として提出することにした。なお、店長は少量のみ口にしたため無事だったそうだ。 警察が缶烏龍茶を調べると、缶の底にキリで開けられたような直径5.6ミリの穴が見つかったという。穴は接着剤で塞がれていて、缶の製造番号が何者かによって消されている状態だった。警察は詳しい調査を実施するために科学警察研究所に問題の缶烏龍茶を輸送。すると調査の結果、致死量20人分に値する約5グラムの青酸化合物が缶烏龍茶から見つかったという。 9月3日には、毒入り缶烏龍茶の事件が新聞紙やテレビ局を通じて報道されるようになり、Aさんの家族も自宅にあった缶烏龍茶を警察で調べてもらうことにした。結果は、スーパーで発見された缶烏龍茶同様に、Aさんが飲んだ缶烏龍茶にも缶底に穴と接着剤の跡、さらに青酸化合物が発見されたという。科学警察研究所がAさんの遺体を調べると、やはり体内に残された血液から青酸の反応が確認された。 長野県警は無差別殺人事件として捜査を開始。捜査員を大量に動員し、県内全域を対象とした大掛かりな捜査を進めたが、有力な手掛かりを掴むことは出来なかった。 一体、誰が何の目的で缶烏龍茶に青酸化合物を混入させたのか?問題の缶烏龍が販売されていたスーパーは街なかに存在し、利用者のほとんどが地元の人だったという。また、スーパーの中でも、防犯カメラが設置されていない場所だった。以上のことから、警察は犯人が土地勘のある人物ではないかと想定したそうだ。さらに、昭和25年に施行された毒物及び劇物取締法により一般人が青酸化合物を簡単に入手できないため、化学分野に精通した人物の犯行ではないかとも見られている。 1977年には、東京で青酸コーラによる無差別殺人事件という類似事件が発生していた。この事件も未だ犯人は見つかっておらず、未解決事件のままだ。犯人は今もまた、人知れず犯行のタイミングを窺っているのかもしれない。
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レジャー 2019年12月14日 22時00分
女がドン引く瞬間〜アプリで出会った男にガッカリした理由〜
近年、出会いを求める男女を結びつけるマッチングアプリを利用する人が増えている。しかし、美幸さん(仮名・27歳)は過去、出会った男性にドン引きしたことがあったという。 「マッチングアプリにて彼の方からメッセージを貰ったのですが、プロフィール写真もカッコイイし、メッセージのやり取りも楽しかったので、会ってみることにしたんです。そして、待ち合わせ場所に現れた彼は、思った通りオシャレだし、顔もプロフ通りのイケメンでした。なので、テンションはかなり上がりましたね」 プロフィール写真と実物が、ほぼ別人だったというケースもよく耳にするが、彼はイメージ通りのルックスだったそう。だが、ある部分が想像とかけ離れていたという。 「彼と近くのお店に入り、着席した時のことです。待ち合わせは夜だったので、外ではわからなかったのですが、歯がとても黄色いことに気がついたんですね。笑うと歯が照明に照らされて、よく見えるんです。彼の外見は完璧なのに、その歯を見た瞬間、ドン引きしました。歯が汚いと、相手がどんなイケメンだろうと絶対にキスしたくないですし、ガッカリします」 雑談をしていても常に歯の色が気になってしまい、最後までテンションは上がらなかったという。写真・danye.de
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芸能 2019年12月14日 22時00分
本誌恒例 人気女子アナ23名「エッチ&チン言」流行語大賞(1)
〜『光陰矢の如し』『歳月人を待たず』〜 というわけで、今年もはや12月。“吉例”となった『女子アナ流行語大賞2019』をお届けする。 まずは“みなさまのNHK”アナから。「昨日は朝早くからありがとうございました。(略)放送を見返してみましたが、大きなドーベルマンにチワワがちょっとほえてしまったみたいで恥ずかしくなりました。(略)民放さんの番組に勝手にメールを送ったら上司にお叱りをうけそうですが…(後略)」 と、フリーアナ界の大御所・久米宏の番組にメールしたのは『あさイチ』の近江友里恵アナ(31)。「その前日、久米が『あさイチ』に出演して、NHK批判を展開したのです」(テレビ局関係者) 久米発言に、同番組内で「公共放送として独立して、誰かにおもねったりとか、そういうことがないように私たちも頑張っていかなきゃいけないぞ、って気持ちはありますっ!」 と、反論もした近江アナ。「柔らかさの中に“芯の強さ”があって、スタッフの評判も上々。一緒にMCを務めている博多華丸・大吉への“いじり”もウマい。“有働由美子2世”と呼ぶ声も出てきました」(女子アナライター) 明暗を分けた感があるのが、『おはよう日本』の和久田麻由子アナ(31)と『ニュースウオッチ9』の桑子真帆アナ(32)の2人。「“新妻のわくまゆ”は朝からルンルン。活き活きとした表情を見せていますが、桑子アナの方は、夜の番組ということもあるでしょうが、心なしか元気がないように見えます。大晦日の『紅白歌合戦』の総合司会の座も、本命と見られていたのに、わくまゆに“奪われて”しまいましたからねえ。おっぱいの方は、“毎日大きくなっている?”といわれ“Fカップ”はあると思うんですけどねえ」(NHK関係者) 注目は、この4月から看板番組『ニュース7』のサブキャスターに抜擢され(平日)、新元号発表の特別番組でも司会を務め高視聴をあげた上原光紀アナ(28)だ。「まさに“期待の星”。半開きのお口に何かを入れてしまいたいですね。ヒップも素晴らしい張りをしています。“NHKのマリリン・モンロー”セックスシンボルですね」(前出・女子アナライター) ただ、彼氏との街中での“尻揉みデート”を写真週刊誌にキャッチされたのにはビックリ。「さすがは彼氏。上原アナのチャームポイントをよく御存知でした。発覚直後、どんな顔をしてカメラの前に立つのか注視していましたが、全く動じず、シレッとしてニュースを伝えていました。まさに“クールビューティー”。いい根性しているなと思いました」(女子アナウオッチャー) さて、お尻といえば、元テレビ東京の『YC(ヨコ乳)アナ』で、現在はフリーの大橋未歩(41)。MCを務める『5時に夢中!』(TOKYO MX)で、「私、お尻は出したいくらいです。お尻だけは肌が荒れないんですよ」 と美尻自慢。そして、下着の選び方を問われると、「相手が好きなものを身につけたいから、“どんなのが好き?”と聞きます。むしろ(相手の)好みに寄せていきたいです」 とぶっちゃけた。「フリーになって、下ネタ全開。かなり“タマっていた”ようです。再婚の年下のご主人には“赤いフンドシ”を着けさせているそうです」(番組関係者) さらに、入社試験に落ちたフジテレビに対しては、「この野郎、くそフジがぁ!!」(テレビ東京『一茂&良純の自由すぎるTV』) と言いたい放題。「大学卒業時、複数のキー局入社試験を受けた大橋アナでしたが、憧れのフジテレビは不合格。通知直後、その悔しさのあまり新宿のバッティングセンターでこう叫びながらフルスウィングしたそうです。ちなみに、ケージ番号は“8”だったそうです」(前出・女子アナライター) 極め付けは、古巣・テレビ東京の『モヤモヤさまぁ〜ず2』に出演した際に叫んだ、「1・2・3尻!! 尻!! 尻。尻。尻。尻。尻…」「尻トレに挑戦した大橋。男性トレーナーから、トレーニング中のかけ声として“尻っ!!”と言葉に出すのがいいと言われた彼女は、こう絶叫したのです。その苦悶の表情は、夜の夫婦生活を十分想像させてくれるものでした。締まりもよくなったことでしょう」(前出・女子アナウオッチャー) NHKを辞めてフリーとなった有働由美子(50)は、「うちに一番来るのは石田ゆり子ちゃん」(日本テレビ系『今夜ウドウ会』) と寂しい一言。「平日の夜はニュースキャスターの仕事もあるし、多忙なのでしょう。石田ともども、もったいない五十路独身生活です」(芸能レポーター)(明日に続く)
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芸能 2019年12月14日 21時45分
大河に抜てきされても驚くほど恩恵がなさそうな新人女優
新人女優の清田みくり(17)が、15日に最終回を迎えるNHKの大河ドラマ「いだてん〜東京オリムピック噺(ばなし)〜」に、1964年東京オリンピックの聖火リレーを走る中学3年生、鈴木久美江役で出演することを、各メディアが報じた。 清田は2018年からドラマや映画に出演し大河ドラマ初出演。「いだてん」の集大成を象徴する聖火リレーの最終走者・坂井義則(井之脇海)にトーチをつなぐ重大な局面で登場するという。「清田はサザンオールスターズや福山雅治らが所属するアミューズのイチ押し女優。NHKとアミューズは密接な関係だけにゴリ推しでねじ込んだようだ。当初、沢尻エリカが降板した大河の代役もアミューズの女優がつとめるのでは、と言われていたがスケジュールが合わなかったようだ」(テレビ局関係者) 大河の視聴率が好調だった場合、出演したことで注目を浴び、今後のオファーにつながるなどさまざまな恩恵がありそう。しかし、史上最速となる第6話で1ケタを記録すると以後2ケタには回復できず。 さらに、ラグビーW杯の日本戦の裏番組になった10月13日の放送では、大河史上ワーストとなる3.7%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)を記録してしまった。 最終回も視聴率は期待できないだけに、大河出演の効果はあまり期待できなさそうだ。
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芸能 2019年12月14日 21時30分
佐々木希“夫婦円満写真”激写の裏でいよいよフルオープン決意!?
2017年に結婚した佐々木希と『アンジャッシュ』渡部建夫妻が、一部女性誌でまたまた“夫婦円満”ショットを掲載。しかし、そんな仲良しぶりの裏で、離婚に向けた佐々木の“美巨乳フルオープン”企画が進行しているとウワサされている。「今夏に噴出した“不仲説”以来、佐々木も打ち消しに必死なのでしょう。夫の渡部は、佐々木がインスタグラムから削除したツーショット写真を含む別居報道に対し釈明会見をしたものの、衣装部屋と称する疑惑のマンションのことは語らず。佐々木も欲求不満なのか、唐突にバイブそっくりの調理器具をインスタにアップするなど、本当にグレーな夫婦です」(芸能ライター) とにかく2人に関しての情報は怪しさ満載。今回、掲載された11月発売の女性誌では、2人が家具店にいるところを激写というよりも“静止撮り”に近い写真。ともに帽子をかぶったマスク姿のショットだが、それが逆に目立っている。「激写をした女性誌は、秋にも2人の夏祭りデートを捉えています。その際にも帽子とマスク姿で、立ち止まったのではないかと思えるほどの鮮明な写真。さらにその前は、写真誌が公園にいる夫婦と子供を“撮ってください”とばかりの記念撮影的でした」(同・ライター) なぜか2人のショットは、いつもキレイに写っているのが特徴だ。「業界関係者や読者は、完全に事前打ち合わせの上、撮影しているだろうと疑っています。その理由は何かというと、やはり離婚の危機と見ていいのではないでしょうか」(夕刊紙記者) となると2人は今後、離婚という形になるのか。「すぐにはないでしょう。冷却期間も考えられる。渡部は売れっ子だし、もともと独身推奨派との関係者証言もあるだけに、当初は、佐々木とも結婚までは考えていなかった可能性も根強い。朝昼晩の“ノルマ”がキツかったとも陰でいわれています」(同) 佐々木にしても、すぐに別れるわけにはいかない。「佐々木は今、女優としての出番が少ないため、離婚は最善ではないと考えている。ただ、先細りを見越して今後は、グラビア露出で勝負していく話もある。過去、複数回出ていた女性誌の“美乳企画”以上のバストトップ見せ写真集で“爆売り”をもくろんでいるとか。セクシーOKの女優転身に向け、地歩を固めたいはず」(写真集編集者) もし実現なら、50万部は確実だ!
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