国宝
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社会 2022年10月10日 08時00分
国宝の曜変天目、刀剣・包永ら7点一挙公開! 静嘉堂が重要文化財内に移転、開館記念展が開催中
1日、静嘉堂文庫美術館(東京都世田谷区、河野元昭館長)が東京・丸の内の重要文化財「明治生命館」の1階に移転、「静嘉堂@丸の内」の新たな愛称とともに、オープンした。開館記念展として、「響きあう名宝―曜変・琳派のかがやき-」が12月18日まで開催されている。 >>全ての画像を見る<< 明治25年(1892)、岩﨑彌之助氏(三菱第二代社長)によって創設され、息子の岩﨑小彌太氏(三菱第四代社長)によって拡充された父子二代によるコレクションをもつ同美術館。和漢の古典籍約20万冊と、東洋の古美術品約6500件を所蔵し、そのうちに国宝7件、重要文化財84件を含んでいる。 1892年彌之助氏の神田駿河台邸における文庫創設以来、1911年に高輪、そして1924年に現在の世田谷へ拠点を移し、1977年より所蔵する美術品などの一般公開を行ってきた。2021年6月に世田谷での展示を終え、移転準備期間を経ての今回の開館となる。 今回の展示会では、岩﨑家父子蒐集コレクションを4つの章で展示、国宝《曜変天目(稲葉天目)》など所蔵する7件の国宝すべてが、前期(~11月6日)・後期(11月10日~12月18日)に分けて公開される。 今回前後期通して公開される、同館の象徴ともいえる国宝《曜変天目》は、南宋時代(12~13世紀)の制作。「天目」は宋代の喫茶法・点茶法のために作られた喫茶専用の碗を指す日本での名称だ。《曜変天目》は、黒釉の掛かった碗の内面に浮かぶ大小の斑紋の周囲に、青色や虹色に輝く光彩が現れたものをいう。完全な形のものは日本に現存する3点のみ。本碗は光彩が鮮やかで、端正な姿や精緻な高台削りなど緊張感がみなぎっている。江戸幕府3代将軍徳川家光から乳母の春日局に下賜されたものといわれ、その後淀藩主稲葉家に伝わったため「稲葉天目」と呼ばれている。 同じく前後期通して公開される国宝《太刀 銘 包永》は、鎌倉時代(13世紀)の制作。作者の初代包永は大和の刀工一派・手掻派の祖で、奈良東大寺の転害門前に住み、正応年間(1288~1293)頃に活躍した。腰反り高く優美な姿が特徴的で、刃中は変化に富む同太刀。茎(柄に収められるグリップ部分)先には「包永」の二字銘も刻まれている。 他にも国宝《倭漢朗詠抄 太田切》が前後期通しで、俵屋宗達の国宝《源氏物語関屋澪標図屏風》が前期で公開されるなど、見どころ満載。歴史的建物の中で輝きを放つ名品たちを一度に鑑賞できるチャンスだ。※画像は全て「響きあう名宝―曜変・琳派のかがやき-」報道内覧会にて撮影
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社会 2022年05月24日 22時00分
人気の刀剣《三日月宗近》など19振り含む国宝89件をすべて展示! 東京国立博物館150年記念 特別展「国宝 東京国立博物館のすべて」開催決定
東京国立博物館、毎日新聞社、NHK、NHKプロモーション、独立行政法人日本芸術文化振興会、文化庁が、10月18日より東京国立博物館創立150年記念 特別展「国宝 東京国立博物館のすべて」を東京国立博物館で開催。20日、同展について報道発表会を行った。 >>全ての画像を見る<< 2022年、創立150年を迎えた東京国立博物館。明治5年(1872)の発足以来、日本でもっとも長い歴史をもつ博物館として、文化財の保存と公開、日本の文化を未来へ、世界へ伝えていく役割を果たしてきた。同展は、この大きな節目を記念して開催、約12万件という膨大な所蔵品の中から、国宝89 件すべてを含む名品(会期中展示替えあり)と、150年の歩みを物語る関連資料を通して、東京国立博物館の全貌を紹介する。 中でもやはり注目されているのは、国宝89件の展示(会期中展示替えあり)。これは同館150年の歴史上はじめてで、奇跡的なことだという。この内、博物館としては日本最多の所蔵数である国宝刀剣全19振りも、同じ展示室内で一挙公開される。この「国宝 刀剣の間」は、日本刀の美しさをじっくり鑑賞できるようデザインされた展示空間となっているそうだ。 この19振りの刀剣の内、《太刀 銘 三条(名物 三日月宗近)》、《太刀 銘 備前国包平作(名物 大包平)》、《短刀 銘 吉光(名物 厚藤四郎)》、《刀 無銘 貞宗(名物 亀甲貞宗)》、《太刀 銘 長光(大般若長光)》、《太刀 銘 備前国長船住景光 元亨二年五月日(小龍景光)》の6振りは、日本刀の名刀を男性に擬人化した人気PCブラウザ&スマホアプリゲーム『刀剣乱舞-ONLINE-』に刀剣男子として登場。これら全てが展示されることでも注目されている。 発表会では、刀剣や甲冑を中心に武器・武具を専門とする東京国立博物館 列品管理課登録室長・佐藤寛介氏が同展のみどころなどを解説。日本刀成立初期の名刀としても有名な《太刀 銘 三条(名物 三日月宗近)》と《太刀 銘 安綱(名物 童子切安綱)》は、刀身(刃がある部位)の寸法が全く同じだという。共に刃の長さが80cm、反りが2.7cmという偶然に一致している2振りだが、与える印象が全く異なる。《三日月宗近》は刀身が細く、手元が強く反り先が細くなっており、全体的に優美な印象を与えている。対して《童子切安綱》は、全体的にカーブしておりがっしりとした力強さが出ている。佐藤氏によると、これは京の都で制作された《三日月宗近》に対し、伯耆国(ほうきのくに)・鳥取県で制作された《童子切安綱》と、作者の居住地の地域文化が刀の姿に反映されているという。 佐藤氏は、「こういった違いというのは実物をじっくり見ることによって、感覚的に理解できるものだと思います。なかなか写真や言葉では伝えきれない部分がございます。これは刀剣に限らずですが、国宝になるようなものというのは、自らオーラを発しています。是非この機会に感じていただければと思います」とアピールした。 また、同館・平成館にて現在開催中の沖縄復帰50年記念 特別展「琉球」(6月26日まで)では、沖縄ゆかりの刀剣3振り《国宝 金装宝剣拵(号 千代金丸)》、《国宝 黒漆脇差拵(号 治金丸)》、《国宝 青貝螺鈿鞘腰刀拵(号 北谷菜切)》(刀剣はすべて琉球国王尚家関係資料、沖縄・那覇市歴史博物館蔵、展示期間は公式サイトで確認)の展示にともない、前出『刀剣乱舞』とのコラボ企画、グッズも展開中。この3振りがモチーフとなった刀剣男士の等身大パネルと書き下ろしイラストが、同館1階ラウンジにて展示されている。 「国宝 東京国立博物館のすべて」でのコラボ企画やグッズは未定とのことだが、メモリアルイヤーでしか体験できないこの機会を楽しみに待ちたい。特別展「国宝 東京国立博物館のすべて」東京国立博物館 平成館 特別展示室2022年10月18日(火) ~ 2022年12月11日(日)公式サイト http://tohaku150th.jp/公式twitter https://twitter.com/tohaku150th特別展「琉球」東京国立博物館 平成館 特別展示室2022年6月26日(日)まで公式サイト https://tsumugu.yomiuri.co.jp/ryukyu2022/
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