プロ野球
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スポーツ 2020年08月05日 11時40分
広島・長野、佐々岡監督の“冷遇”で奮起?「ベテランと呼ばれないように」殊勲の一発は復活の兆しか
広島が長野久義と田中広輔の2発で東京ヤクルトに快勝した(8月4日)。順位表では5位、最下位チームとの僅差での争いからまだ抜け出せていないが、同日の勝利は意義深い。 というのも、火曜日の勝利は“今季初”なのだ。火曜日は連戦スタートの初戦、つまり、広島は“エース対決の試合”をモノにできず、黒星先行の状況で対戦カードを戦ってきたのだ。初の白星スタートは、間違いなくチームの雰囲気も明るくさせるはずだ。 「先に点を取ったのはヤクルトの方。でも、走者を背負いながらも『0点』に抑え、その粘りが守っている野手のハートに火をつけたのかもしれません」(スポーツ紙記者) 7回、同点に追いつく3ランを放った長野だが、ここ最近は「3番・左翼」でスタメン出場が続いている。移籍一年目の昨季は打撃不振に喘いでいたが、今年は違う。強い闘争心を持って試合に臨んでいる。 >>広島・田中の打球がフェンス際で消滅! 犯人はまさかの同僚だった? 審判も驚愕した“ホールインワン”級の珍事<< 今季初打席となった6月20日だが(DeNA)、試合後、記者団に興味深いコメントを寄せていた。 「ベテランと呼ばれないように頑張りたい」 開幕戦は出番がなかった。堂林の復活、西川龍馬の成長なども重なって、「今年はスタメン出場の機会が激減しそう。代打稼業ということも」と、完全なレギュラー落ちも予想されていた。しかし、一番危機意識を持っていたのは、長野本人だった。 「移籍した昨季は『禁酒』の誓いを立ててシーズンに臨みました。お酒で失敗したことはありませんが、巨人時代から酒豪で知られていて、それを快く思っていない年長者もいました」(球界関係者) 巨人時代から後輩に慕われ、練習もマジメにこなすタイプだった。丸佳浩のFA移籍に伴い、人的補償で移籍した経緯は今さらだが、こんな指摘も聞かれた。 「メディアに発表されるもっと前から、球団(巨人)から通達がありました。長野はチームメイトたちにお別れを告げ、しばらくの間、長野の広島行きは公然のヒミツのように扱われていました。本人は『驚いたでしょ~?』とふざけて返していましたが」(前出・同) 球団が変われば、練習サイクルも変わる。昨季の不振はその戸惑いや気疲れも影響していた。 「広島に移籍し、『走れない』と言われたのがショックだったみたい」(前出・同) 3番で固定される前の7月23日、佐々岡真司監督は前日スタメン出場し、練習もともに行っていた長野をベンチ入りメンバーから外した。「怪我?」と担当メディアはざわついたが、佐々岡監督は「元気ですよ」と故障説を否定したが、ベンチ入りメンバーから外した詳しい理由は説明しなかった。 捉えようによっては“戦力外”だ。しかし、それが長野の気持ちに再び火をつけた。30代半ばの選手の衰えには「惰性」もある。本人は意識していないつもりでも、「なんとなく」で練習をこなし、試合で結果を出せなくても、「なんとかなるさ」と思ってしまう。 継投策の失敗など酷評の続く佐々岡監督。だが、長野を蘇らせた采配はさすが。堂林、田中もそうだ。チームも復活といきたいところだが…。(スポーツライター・飯山満)
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スポーツ 2020年08月04日 20時30分
コーチ指令に「ちょっと無視だ」 実はあまり投げたくなかった? 元巨人・斎藤氏が『10.8決戦』の裏話を告白
元フジテレビアナウンサーでフリーの田中大貴アナが3日に自身の公式ユーチューブチャンネルに投稿した動画に、元巨人で野球解説者の斎藤雅樹氏がゲスト出演。今も多くのファンの間で語り継がれる『10.8決戦』について言及した。 『10.8決戦』は1994年10月8日の巨人対中日戦のことで、勝った方が優勝となるシーズン最終戦の大一番。「6-3」で巨人が勝利しリーグ優勝を決めている。斎藤氏は同戦に2番手で登板し「5回1失点・被安打3・5奪三振」で勝利投手になっているが、今回の動画では登板前後の裏話を明かした。 >>二軍落ちの巨人・澤村に「全て間違っていた」 堀内元監督が“クビ”を危惧、「今更何言っても変わらない」と辛らつな意見も<< 同戦2日前の試合に先発し、6回を投げていた斎藤氏。そのため、中1日で迎えた最終戦はベンチ入りしたものの出番があるとは思っておらず、同じくベンチ入りした宮本和知(現巨人一軍投手チーフコーチ)と「大丈夫ですよ、僕たちには(出番は)回ってきませんよ」という会話もしていたという。 ただ、いざ試合が始まると止めたバットに当たった打球やバットを折りながら放った打球がヒットになる場面が中日側の攻撃で何度があったことから、ブルペンで肩を作りながら「雰囲気がいつもと違うぞ」と感じていたとのこと。また、初回から1アウトを取るごとに球場からどよめきや歓声が起こったため、「(試合は)そんなまだまだなのに…普通にアウト取っただけじゃん…」と困惑した心境だったという。 そんな状況で迎えた2回裏、「0-2」と2点リードの巨人は先発・槇原寛己が同点に追いつかれなおも無死一、二塁というピンチを招いたが、ここで巨人ベンチは斎藤氏への継投を決断。ところが、コーチから名前を呼ばれた斎藤氏は「『ええ!?』と思って、『いや、ちょっと無視だ』と(投球練習を続けた)」と、聞こえないふりをしてなんとか登板を回避できないかと画策したという。 しかし、直後に再びコーチに呼ばれ「行けるか?」と聞かれ「『行けるか?』と言われて『行けません』とは言えない」と腹をくくったという斎藤氏。槇原が招いたピンチを無失点で切り抜けると、その後6回まで1失点で投げ抜いた。ただ、登板中はベンチに戻るたびに「もう終わりだな」、「もうそろそろいいんじゃないかな」と思う一方、首脳陣は「いやまだだ!もう1イニング行け!」となかなか自身を降ろしてくれなかったと笑いながら語った。 今回の動画を受け、ネット上には「あの試合は確かに異様な雰囲気だった、視聴率もすごいことになってたはず」、「コーチを無視してたのは知らなかった、百戦錬磨の斎藤でも投げたくないって気持ちだったのかな」、「信頼されてるからこそロングリリーフで起用されたんだろうけど、優勝決定戦で中1日は相当キツかっただろうな」、「優勝決定戦って状況じゃなければ、槇原が崩れて斎藤に回ることも無かったのかもしれない」といった反応が多数寄せられている。 プロ野球中継史上最高の視聴率「48.8%」(ビデオリサーチ調べ/関東地区)を記録するなど、日本全国からの注目が集まった『10.8決戦』。19年間の現役生活で通算180勝をマークし、沢村賞3回(1989,1995-1996)など数々のタイトルを獲得した斎藤氏でも気おされるほどの緊張感、緊迫感がうず巻いていたようだ。文 / 柴田雅人記事内の引用について田中大貴アナの公式ユーチューブチャンネルよりhttps://www.youtube.com/channel/UC95Lxy4H7OA0w-bVzIvFyzg
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スポーツ 2020年08月04日 15時30分
阪神・中西元コーチ、“キーマンはガンケル”に賛否 「自滅するタイプではない」と主張、「ガルシアの時は使えない」と反発も
阪神の元投手コーチで野球解説者の中西清起氏が、3日放送の『ガチ虎!』(ABCラジオ)に生出演。番組内での発言をきっかけに、ネット上の阪神ファンの間で議論が巻き起こっている。 今回の番組で中西氏は「2勝3敗1分」と苦戦した7月28日~8月2日の阪神の戦いを振り返った上で、8月4日から始まる9連戦を乗り切るためのポイントを解説。複数選手の名を挙げながら、主に投手陣についてトークを展開した。 >>阪神・近本、先輩たちの二の舞に? 高山・中谷・坪井…チームの有望株が育たないワケは<< 議論のきっかけとなったのは、試合の7~9回を投げる勝ちパターンについての発言内容。「先発は非常に潤沢に回っているとは思うが、9連戦となるとやはりリリーフ陣というところが(大事)」という中西氏は、7回はガンケル、8回は藤川球児、そして9回はスアレスという形の勝ちパターンが構成されるのではと推測。 中西氏は続けて、今シーズン「5登板・0勝1敗2ホールド・防御率3.38」という成績のガンケルが中継ぎのキーマンだと指摘。「できればここ(7回)に左を一枚挟みたいが、今は能見(篤史/防御率7.27)しかいない状況なので、ガンケルがフル回転しなければいけない」と、左の中継ぎが不足している状況を救ってくれるのではとした。 今シーズンからチームでプレーするガンケルは先発登板した6月24日・対ヤクルト戦で「4回3失点・被安打7・2四球」と打ち込まれ来日初黒星を喫するも、その後中継ぎに転向し4試合連続無失点と好投を続けている投手。中西氏は「四球で自滅するタイプではない(投手)。これはリリーフの第一条件」、「打たせて取る投手なので、そういう意味では(攻守の)リズムも良くなっていく(と思う)」と、中継ぎで大きな戦力になるのではと期待を寄せていた。 中西氏の発言を受け、ネット上には「左の岩崎(優/同2.51)が離脱中だから、7回を投げてくれれば心強い」、「先発の時より安定してるように思えるし、このままセットアッパーに組み込むのは全然悪くない」、「四球少ないゴロピッチャーは1点リードの接戦とかでも安心して任せられる」といった反応が多数寄せられている。 一方、「助っ人枠の兼ね合いがある投手に期待し過ぎるのは良くない気がする」、「ガンケルはガルシアの時は使えないだろうから、馬場(皐輔/同1.64)の方が計算立てやすくない?」といった否定的なコメントも複数見受けられるなど議論が飛び交っている。 「現在の阪神は試合でベンチ入りできる外国人枠4枠のうち、抑えのスアレス、クリーンアップのボーア・サンズで3枠が埋まっており、残り1枠で先発のガルシアとガンケルの併用に充てています。つまり、ガルシアが先発する試合ではガンケルをベンチ入りさせることができないということです。それならば枠の配分を変更すればいいのではという話になりますが、枠を埋めている3名は現状を考えるといずれも外せない選手である上、8月中旬には怪我で離脱していた野手のマルテも復帰する見込み。そうなると、どうしてもガンケルをベンチ入りメンバーや一軍登録から外さないといけない場面がくることは想像に難くないため、日本人選手を勝ちパターンに組み込み岩崎の復帰を待つ方が計算を立てやすいのではと考えるファンも少なくないようです」(野球ライター) 2日終了時点の救援防御率が「4.59」とリーグ5位に沈んでいる阪神。上位浮上のために盤石な勝ちパターンの確立が求められている状況だが、上り調子のガンケルを勝ちパターンに固定するかはファンの間でも意見が分かれているようだ。文 / 柴田雅人
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スポーツ 2020年08月04日 11時00分
オリックス、日本ハムに大敗で再び後退!ロッテ戦は由伸からリベンジへ
前週、仙台での東北楽天6連戦では4勝1敗1分と好成績を収め、5位に浮上したオリックスだったが、北海道・札幌ドームで行われた北海道日本ハム5連戦では1勝4敗と大敗を喫し、再び最下位に転落。借金も「7」に逆戻りしてしまった。<オリックス戦績 7.28〜8.1>対北海道日本ハム 北海道・札幌ドーム▽7月28日●オリックス(アルバース)1-5(上沢)北海道日本ハム○▽7月29日●オリックス(鈴木優)2-6(マルティネス)北海道日本ハム○▽7月30日●オリックス(山崎福)3-7(杉浦)北海道日本ハム○▽7月31日○オリックス(榊原)7-2(有原)北海道日本ハム●▽8月1日●オリックス(田嶋)1-3(バーヘイゲン)北海道日本ハム○※オリックス1勝4敗。通算戦績38試合14勝21敗3け。首位ソフトバンクと7ゲーム差。カッコ内は先発。 7月31日の試合では、好リリーフを見せた高卒6年目で地元北海道出身の左腕、齋藤綱記に嬉しいプロ初勝利がついたが、1日の田嶋大樹以外は、先発投手が踏ん張れず、試合を立て直すために出てきた中継ぎ陣も期待に応えられなかった。最下位だった日本ハムとのゲーム差を突き放し、4ゲーム差まで迫っていた首位との差も縮め、借金も返済するプランで臨んだだけに、日本ハムにひっくり返された上、2.5ゲーム差をつけられたのは痛い。 野手陣はチャンスを作るものの、「あと1本」が出ない。仙台では終盤に得点を出し、7月31日の試合も7回をビッグイニングにして勝利を収めているが、先発投手に勝ち星をつけるためには、もっと早い回での仕掛けが必要だろう。福田周平が復帰し、結果を残しているのは明るい材料だ。4日からは本拠地、大阪・京セラドーム大阪に戻り、千葉で6連敗を食らった千葉ロッテとリベンジの6連戦が行われる。 日本ハム戦が5連戦だったことにより、エースの山本由伸が火曜日にスライド。アルバースが登録を抹消されたため、気になるのは9日の先発投手だが、アルバースが再調整して再昇格することが濃厚。2日にファームで、離脱中だったもう一人のエース、山岡泰輔が復活登板をしており、59球を投じていることから、11日から福岡・福岡PayPayドームで行われる福岡ソフトバンクとの6連戦で復帰となれば、ローテーションが再編されるだろう。今後の経緯を見守っていきたい。 野手ではファームで、オープン戦では開幕スタメン当確だった宜保翔が実戦復帰しており、こちらも一軍での活躍が待たれるところである。(どら増田)
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スポーツ 2020年08月03日 18時30分
元巨人・上原氏「投げきった!素晴らしい」 中日・梅津の熱投にファン・OBから称賛相次ぐ、高津監督も「点が取れない」と脱帽
2日に行われた中日対ヤクルトの一戦。この試合に先発した中日・梅津晃大の投球が、球界OBやプロ野球ファンの間で話題となっている。 >>中日・梅津のクリーンヒットがライトゴロに! 思わぬ珍プレーで勝利をふいに、本人も“小学生以来”と嘆き?<< 同戦が今シーズン7度目の先発登板だった梅津は、初回から3回まで1人のランナーも許さない完璧な立ち上がりを見せる。その後は4、5、9回にそれぞれ得点圏にランナーを許すも、いずれも無失点でしのぎ9回まで投げ切った。 梅津は両チーム「0-0」で突入した延長10回も続投し、ヤクルトの攻撃を3人でピシャリ。裏の攻撃でチームが得点できなかったため白星は得られなかったものの、「10回127球無失点・被安打5・2四球・9奪三振」で自身初の完投をマーク。先発投手の延長10回完投は、2012年8月26日・対日本ハム戦での田中将大(当時楽天/完封勝利)以来約8年ぶりとなる珍しい記録だった。 梅津の投球を受け、複数の球界OBがSNS上でコメントしている。元巨人・上原浩治氏は、2日に自身の公式ツイッターに投稿。「10回投げきった!素晴らしいです。勝ち、が付いてほしかったなぁ…」と、白星がつかなかったことを悔やみつつ梅津を称賛した。 元ソフトバンク・斉藤和巳氏も、2日に自身の公式ツイッターに「球数もイニングからすると少なかった事もあって完投出来たんやと思う。勝ちはつかへんかったけど価値ある投球!」と投稿。球数を抑えながら最後まで投げ切った点を評価している。 梅津の熱投を受けて、ネット上にも「白星はつかなかったけど、魂のこもったいいピッチングだった」、「投手分業制が確立している今の時代に、10回無失点完投は物凄い投球だよ」、「援護に恵まれない中よく辛抱して最後まで投げてくれた」、「今回梅津を援護できなかった野手陣は、次回登板では大量得点で援護してあげて欲しい」といった反応が多数寄せられている。 試合後の報道では中日・与田剛監督が「本当に素晴らしい、これに尽きる」と絶賛し、ヤクルト・高津臣吾監督も「あれだけ球に力があって制球も良いとなかなか点が取れない」と脱帽したことが伝えられている梅津。ローテーションに変更がなければ次回登板は9日・対巨人戦になると見込まれているが、次回登板では白星をつかむことができるだろうか。文 / 柴田雅人記事内の引用について上原浩治氏の公式ツイッターよりhttps://twitter.com/TeamUehara斉藤和巳氏の公式ツイッターよりhttps://twitter.com/kazumi_saitoh
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スポーツ 2020年08月03日 17時30分
“喜怒哀楽を前面に出す男”DeNA・山下、6年目の苦労人がチームに活力を与える!
弾ける笑顔、大きな声。打席で喜怒哀楽を前面に押し出し、ピッチャーと対峙する山下幸輝。ベイスターズで、いやプロの世界でもここまで気持ちを露わにするプレーヤーも稀だ。 2015年はルーキーながら開幕一軍キップを掴み、同期の倉本寿彦と共に開幕スタメンを果たすかと思われるほど評価され、2年目には62試合に出場。勝負強いバッティングとマルチポジションを守れる内野手として期待されていた。しかし2017年、18年共に21試合出場に留まり、昨年は1度も一軍に上がることは無かった。 6年目の勝負の今年は、金髪に染め上げるなど心機一転。すると、ファームでは12試合で打率.375、8打点、ホームラン1本、OPSは1.073と絶好調で、7月14日には待ちに待った一軍昇格。7月19日には久しぶりのヒットを放つと、24日には立場的には打ってアピールしたい場面で、しっかりとフォアボールを選びチームに貢献。31日にはチャンスの場面に代打で登場すると、詰まりながらもレフト前に落とし、久々で貴重な打点もマーク。今シーズンはここまで全て代打で登場し、11打席3安打1四球、打率はジャスト3割の好成績で、チーム内で徐々に存在感を高めている。 まだ、球場は上限5000人の状況で、大声を上げての応援は禁止。プレーヤーの声もよく伝わってくる中、山下の打席での気合いの入った雄叫びはなおさら際立つ。打ち損ねたかに見えるファールでは悔しそうに天を仰ぎ、ボールを見極めれば納得の笑顔を見せる。たとえ凡打に倒れても、笑顔で前を向く姿はベンチで見守るチームメイトも思わず笑顔にさせている。 18年5月31日、楽天イーグルスの当時抑えの切り札の松井裕樹からサヨナラヒットを放った際のヒーローインタビューでは、プロ野球史上でも1番の涙の量と思われる号泣で、今でもベイスターズファンの語り草となっている。あの際は喜びとともに悲壮感も感じ取れたが、今年は心の底から野球を楽しんでいるような、ポジティブな感情しか伝わってこない。 喜怒哀楽を思い切り表現する山下幸輝の姿は、敵味方関係なく眩しくスタジアムを照らしている。取材・文・写真 / 萩原孝弘
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スポーツ 2020年08月03日 15時45分
炎上の巨人・桜井に「何をやっていたのか」 堀内元監督が“準備不足”を指摘、宮本コーチは二軍降格を明言か
元巨人監督で野球解説者の堀内恒夫氏が、2日に自身の公式ブログに投稿。プロ5年目で26歳の巨人・桜井俊貴について言及した。 桜井は同日に行われた対広島戦で先発するも、「2.1回5失点・被安打7・1四球」と炎上し降板。その後チームは「2-9」で敗れ、桜井には今シーズン2敗目が記録された。 初回、広島・鈴木誠也に浴びた2ランを皮切りに、3イニング連続で失点を喫した桜井。堀内氏は鈴木からの被弾について、「アウトコース狙ってんのにシュート気味にど真ん中入ってきた。あれはやられるよ」と失投を指摘した。 堀内氏は続けて、「今日の桜井 スピードはない。コントロールはない。球の力はない。ストライクは入らない。酷い、酷すぎます」と、鈴木からの被弾を含め桜井の投球をバッサリ切り捨てた。 桜井は前回登板した7月26日・対ヤクルト戦では、「7.2回4失点・被安打6・4四死球」と粘りの投球で勝利投手となっていた。堀内氏は「一週間何をやっていたのか疑いたくなるレベルの酷さ」、「軽々しく『絶対』という言葉は使いたくないけど、これは絶対に調整の失敗 そうとしか考えられん」と、中6日の期間内に準備を怠ったことが原因だと推測していた。 >>二軍落ちの巨人・澤村に「全て間違っていた」 堀内元監督が“クビ”を危惧、「今更何言っても変わらない」と辛らつな意見も<< 今回の投稿を受け、ネット上には「確かに鈴木への球は失投だったと思う、捕手が構えたコースから大きく外れて真ん中にいったし」、「四球は1個だけだったけど、ずっとコントロールがバラバラだった」、「初回から3イニング連続失点は話にならない、攻撃する野手陣の士気にも関わりかねない」、「ここのところずっと立ち上がりに失点してるし、一度先発ローテから外した方がいいのでは?」といった反応が多数寄せられている。 「今シーズンの桜井は開幕から6試合に先発登板していますが、同戦を含め4試合連続で初回に失点。シーズン成績が『2勝2敗・防御率4.81』とピリッとしない原因が、立ち上がりの不安定さにあることは明白です。当然、本人もこの課題を認識して改善に取り組んでいるとは思いますが、同戦の結果を見るに取り組みの方向性が間違っているようにも思えます。昨シーズンの桜井は先発・中継ぎとして8勝を挙げるなど結果を残していますが、この頃の投球を取り戻させるために、首脳陣は一度ローテを外し腰を据えて復調に努めさせるべきと考えているファンも少なくないようです」(野球ライター) 試合後の報道では巨人・原辰徳監督が「立ち上がりをもう一つ工夫しないと」と注文をつけ、宮本和知一軍投手チーフコーチが二軍降格を明言したことも伝えられている桜井。ローテのみならず一軍からも外れる形となったが、二軍で復調のきっかけをつかむことはできるだろうか。文 / 柴田雅人記事内の引用について堀内恒夫氏の公式ブログよりhttps://ameblo.jp/horiuchi18/
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スポーツ 2020年08月03日 11時45分
阪神・近本、先輩たちの二の舞に? 高山・中谷・坪井…チームの有望株が育たないワケは
チームが好調な今だからこそ、やっておかなければならないことがある。7月の1か月間、矢野阪神は14勝8敗2分と絶好調だった。8月は黒星スタートとなったが、DeNA3連戦の最終戦(8月2日)、防御率1点台の平良拳太郎に土を付けてみせた。トラの勢いはホンモノと見て間違いないだろう。 「好調なチームを牽引しているのは、復調したボーアとサンズの2人。大山悠輔を4番に固定できたのも大きい」(在阪記者) 同日からスタメンに糸井嘉男も帰って来た。矢野燿大監督が期待する左腕・高橋遥人も一軍に交流し、チームの雰囲気も明るくなったが、不安要素もないわけではない。「1番バッター」、プロ2年目の近本光司外野手の起用法だ。 今季の近本は「2番」の打順でスタートした。矢野監督が1番に糸井を置く攻撃的な打順を組んだからだが、その後、俊足の近本は「1番」に戻った。2日のゲーム終了時点で、36試合中26試合に近本が1番に入っている。しかし、今季の近本の打率は2割4分6厘と低迷。盗塁12はリーグトップだが、出塁率が3割1分1厘なので、「1番バッター=出塁とチャンスメーク」の役割を果たし切れていない。糸井、陽川らが代わって1番に入る理由はこの辺にありそうだ。 そんな近本の起用法について、賛否両論が出ていた。 「打撃不振には目を瞑って、使い続けなければリードオフマンとして育たないと指摘する阪神OBも少なくありません。矢野監督は他選手にもチャンスを与えるため、打順を固定しない方針ですが」(プロ野球解説者) 近本は四球をここまで「10」しか選んでいない。矢野監督のエコ贔屓を許さない起用法に称賛の声も出ているが、近年の阪神にはイヤなジンクスも見られる。 昨季、近本は「盗塁王」のタイトル以外にも、セ・リーグの新人安打記録を更新してみせた。1958年の長嶋茂雄氏以来の記録更新というのもスゴイが、2016年、当時新人だった高山俊は、新人選手の球団安打記録を更新したものの、2年目以降は伸び悩んでいる。さらに遡れば、新人球団安打記録の前記録保持者だった坪井智哉(1998年)も、2年目以降はパッとしなかった。 「陽川、中谷、伊藤隼、江越らも頭角を現し、次のシーズンに期待されました。でも、結果を残せませんでした」(前出・プロ野球解説者) 壁にぶち当たった選手たちの前例を見ると、近本は1番バッターとして、今後もレギュラーであり続けるかどうかの分岐点に差しかかっているのかもしれない。 矢野監督が近本を1番から外した直近の試合は8月1日。東京ヤクルトに2連敗し、DeNAとの3連戦初戦を引き分けた翌日である。チームの勝利を最優先した打順変更だったのだろう。 「矢野監督は近本を1番から外しても、2番で試合に使ってきます。打順が変更すればその役割も変わってきます」(前出・在阪記者) 近本は打順が変わることについて、特に何も言っていないそうだ。スタメンから外さないのも、矢野監督の愛情だろう。近本がスタメンから外れた試合は6試合しかない。この状況を中途半端とするのが非難する側の思想の一つにもなっているが、「近本の走塁能力は捨てがたい」という声も多い。この辺も矢野監督を迷わす理由になっているようだ。 リードオフマンを育てる――。近本を1番で完全に固定するとしたら、チームが好調な今しかない。(スポーツライター・飯山満)
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スポーツ 2020年08月02日 11時00分
阪神、北條・近本は選手生命の危機だった?「1人では生活できない」正面衝突で大怪我を負った西岡の悲劇
7月30日に神宮球場で行われた阪神対ヤクルトの一戦。「6-0」でヤクルトが勝利したこの試合中、多くのファンの心配が集まるプレーがあった。 問題となったのは、「1-0」とヤクルト1点リードで迎えた7回裏に飛び出たプレー。この回ヤクルトは阪神・藤浪晋太郎から1点を奪いなおも2死一、三塁のチャンスを作るが、ここで迎えた上田剛史が遊撃後方へフライを打ち上げてしまう。ところが、この打球を追った阪神の遊撃・北條史也と中堅・近本光司が交錯しどちらも捕球できず。落下したボールが転がる間に2者が生還し、思わぬ形でヤクルトが2点を追加する結果になった。 >>元阪神・片岡氏、北條のレギュラー入りを熱望?「糸原が帰ってきても外せない選手に」発言に「植田の方がマシ」と反発も<< 幸いにも交錯した北條、近本に怪我はなかったが、ネット上には両者を心配する声が多数寄せられた。一部では「西岡のような事態にならなくて良かった」、「西岡みたいな悲劇はもう見たくないから本当に気をつけて」といったコメントが見られた。 コメントで挙がっている「西岡」は、2013年から2018年にかけて阪神に所属した内野手・西岡剛。阪神では主に二塁、三塁を守っていたが、在籍中の2014年シーズンに守備中の交錯で大怪我を負うアクシデントに見舞われている。 2014年3月30日、東京ドームで行われた阪神対巨人の一戦。「0-0」で迎えた2回裏、阪神は先発・榎田大樹(現西武)が1点を失いなおも2死一、二塁というピンチだったが、迎えた巨人・大竹寛が二塁後方へフライを打ち上げる。同戦に「3番・二塁」で先発出場していた西岡は、打球を捕球するため猛ダッシュで背走した。 しかし、西岡と同じく右翼・福留孝介も打球に猛チャージをかけており、打球が落下する寸前で両者は交錯し倒れ込んでしまう。落下したボールが転々とする間に2者が生還し巨人が2点を追加したが、この間も西岡と福留は倒れ込んだまま。プレーが止まった後、すぐに阪神ベンチから和田豊監督(当時)やトレーナーが飛び出し両者の元へ向かった。 それから約2分後に福留は何とか自力で起き上がったが、西岡は15分ほど経過しても倒れ込んだまま動けず。そのため、急きょグラウンド上に乗り入れた救急車で救急搬送するという措置が取られた。 想定外のアクシデントに見舞われたショックは大きかったのか、阪神はその後「12-3」で巨人に大敗。交錯後一度は出場を続行した福留も、4回表の攻撃では打席に立ったものの、その裏の守備で交代した。 試合後、両者が病院で検査を受けた結果が伝えられたが、福留の負傷が胸部打撲のみにとどまった一方、西岡は鼻骨骨折、左肩鎖関節脱臼、左右の第一肋骨骨折など複数箇所を骨折する大怪我。西岡は数日間の入院を経て4月2日に退院したが、同月5日に自身のSNSを通じて「まだ1人では生活できない状況」と日常生活にも支障が出ていることを告白。また、この時点では各種報道でも全治は不明とされていた。 しかし、西岡はその後懸命にリハビリを重ね、同年6月27日の対中日戦で「1番・三塁」で一軍復帰。その後、交錯の影響による背中の痛みで翌7月下旬に再び登録を抹消されるも、終盤戦の9月に一軍に復帰し代打中心で出場。ポストシーズンからはスタメンに復帰し、チームの日本シリーズ出場に貢献した。 西岡と福留がなぜ交錯したのかについてだが、後の報道によると福留は西岡から「僕が深追いし過ぎました」と自分に非があると言われたという。だが、同戦には4万5666人もの大観衆が詰めかけていたことから、両者の声が大声援にかき消され連携が取れなかった結果とする見方もある。実際、別の報道では同戦で西岡の処置に当たったトレーナーが「あの大観衆で声は聞こえない」、「衝突するまでの間に『これはぶつかるな』と思い、既にベンチの外に出ていた」と語ったことも伝えられている。 今回の交錯は北條が打球を深追いし過ぎたことが主な原因とされているが、チームを率いる矢野燿大監督は「その悔しさを練習にぶつけて、その結果を試合に出すしかない」と北條を責めずに奮起を促している。今後の試合では怪我には十分気をつけた上で、汚名返上の全力プレーを見せたいところだ。文 / 柴田雅人
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スポーツ 2020年08月01日 11時00分
広島・田中の打球がフェンス際で消滅! 犯人はまさかの同僚だった? 審判も驚愕した“ホールインワン”級の珍事
7月24日に神宮球場で行われた巨人対ヤクルトの一戦。「5-5」で引き分けに終わったこの一戦だが、とあるプレーがファンの注目を集めた。 話題となったのは、「5-2」とヤクルト3点リードで迎えた7回表に飛び出たプレー。この回巨人は先頭・吉川尚輝がソロホームランを放ち1点を返すと、続く重信慎之介も右翼フェンス際へ大きな当たりを放つ。ヤクルトの右翼手・山崎晃大朗はジャンピングキャッチを敢行するも捕球できなかった。 ところが、フェンスに直撃したはずの打球はなぜか跳ね返ってこずに“消滅”し、山崎は周りをキョロキョロ。異変を察知した審判が確認したところ、重信の打球は勢いが強かったのか、フェンス上部の金網を突き破りスタンドに入ったことが判明。これを受けた審判団は協議を行った上で、重信の打球をエンタイトルツーベースとして無死二塁で試合を再開する旨を場内にアナウンスした。 球場がどよめきに包まれたこの場面を受け、ネット上には「打球がフェンス貫通するとか初めて見た」、「こんな昭和のスポ根漫画みたいなことあるんだな」といった驚きの声が多数寄せられた。中には、「マツダスタジアムの打球消滅に匹敵する珍事だ」、「ちょっと前にズムスタでも同じことなかったか?」といったコメントも見られた。 コメントに挙がっている「マツダスタジアム」、「ズムスタ」は、広島の本拠地球場であるMAZDA Zoom-Zoomスタジアム広島。今から3年前の2017年シーズンの試合中に、今回と同じく打球が消滅する珍事が起こっている。 2017年6月23日、同球場で行われた広島対阪神の一戦。1回裏、広島の先頭・田中広輔が、阪神先発・メッセンジャーの初球をフルスイング。左翼フェンス際に伸びた打球に対し、阪神の左翼手・福留孝介はジャンピングキャッチを敢行。TV中継の画面を見る限りでは、福留が倒れ込みながら捕球したかに思われた。 ところが、起き上がった福留は周囲を見渡した後、狐につままれたような表情で棒立ちに。その後、審判に対しフェンスを指さすジェスチャーを見せた。これを受けた審判団はリプレー検証を含めた確認を行うため、田中の打球に一旦本塁打の判定を下した上で確認に入った。 その後リプレー検証などで審判団が確認したところ、田中の打球はなんとフェンスを覆うラバーの裂け目に、ゴルフのホールインワンのようにすっぽりと入っていたことが判明。裂け目に入らずに跳ね返っていればフェンス直撃のツーベース、あるいはスリーベースの可能性もあった打球だったが、審判団は確認後に田中の打球をエンタイトルツーベースとすることを場内にアナウンス。無死二塁で試合は再開された。 その後試合は初回に3点を先制した広島が「13-3」で勝利したが、試合後にはすぐにラバーの裂け目の修復作業が行われた。また、試合後の報道では、審判団の1人である橘高淳審判が「福留選手が捕球したと思ったらボールがなかった。ボールを探したけどなかった。まさかラバーをぶち破るとは思っていなかった」と驚きを口にしたことも伝えられている。 なぜフェンスを覆うラバーに裂け目ができていたのか、この理由もまた試合後の報道で判明している。報道によると、珍事につながる打球を放った田中が「松山さんが練習中にフェンスに登った時に空けた穴だって言っていました」と打球はラバーをぶち破ったわけではなく、同僚の松山竜平が空けた穴に偶然入ったという旨を語ったという。 マツダスタジアムのフェンスは他球団の本拠地球場に比べ足をかけてよじ登りやすい構造をしており、過去には赤松真人、天谷宗一郎(いずれも元広島)がそれぞれホームラン性の当たりをフェンス上でキャッチし大きな話題を呼んでいる。そのため、同球場ではフェンスに登る練習も頻繁に行われているが、田中曰くその練習の過程で松山が誤って傷をつけてしまったとのことだ。 重信の打球で突き破られた神宮球場のフェンスについて続報は特に伝えられていないが、おそらくマツダスタジアムの試合後と同じようにすぐ修復されたことが濃厚。各球団の本拠地球場は定期的に設備点検が行われているが、今回の件は球場関係者も「まさか」と思ったかもしれない。文 / 柴田雅人
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