漫画と物語は、吾郎Aがおよそ半年かけて完成。スーパーアシスタントには、『コップのフチ子』の原案者であるタナカカツキを迎え入れた。さらに漫画では、筋肉マンや『銀河鉄道999』のメーテル、「SLAM DUNK」や小泉今日子、女性ピン芸人のシルク、俳優・寺尾聡などが、吾郎Aの“ヘタおもろい”画力によって描かれている。そのいっぽうで、上京した6〜7年ほど前から行った日本全国の店(全59店舗)を、名刺とコラムで紹介。こちらは、『マンスリーよしもと』(廃刊)の連載をまとめたもので、待望の書籍化にあたって、著名人・店のすべてから掲載許可が下りたという。
こういうテイストのコミックエッセイを手掛けるきっかけとなったのは、中学生のころから大ファンの小泉。「いつかおいしい店に招待するため」という壮大な夢のもと、グルメの旅を開始させた。「僕にとってのヒロイン。(書籍化にあたり漫画の)チェックだけお願いしたら『わー、ヒロインみたい』って言ってくれた」と、小泉と直で接して、ますますホレた様子。「キョンキョンと結婚したい」願望はまだ抱いており、「もしドラマ化になったら、ヒロインは当然小泉さん!」と、期待に胸をふくらます。
コミックの冒頭は、前妻と離婚したあたりから始まる。「漫画を描いてるときは、寂しさを忘れさせてくれるので、よかったです」と、独り身に戻った寂寥感を本作が癒してくれたよう。「同じように、東京出てきて、寂しい思いしてる人に読んでほしい」と呼びかけた。
トークショーの司会を務めた村上は、「人の優しさが詰まった本」と、掲載を許した並み居る有名人を称賛。「個人的には、ボリュームたっぷりのメニューを“ボリューミーマミ”と例えたところに笑った」と、少女マンガの『クリィーミーマミ』に掛けたダジャレを、イジりながらホメた。(伊藤雅奈子)