“社会部の鬼”廣海輝明記者は物腰が柔らかく上品な言葉で話す。やさぐれ記者が多い社会部では異色のOBだ。取材した喫茶店では数分でコーヒーフロートをぺロリ。「甘いものが大好きなんですよ」とイチゴケーキを追加注文した。おいしそうに食べながらゆっくり入社当時を振り返る。
「入社試験の成績がよく大学4年の10月に前倒し入社したんですよ。学習院大学で応援団をやっていたせいか『おまえは頑丈そうだ』と社会部のサツ回り担当でした。駆け出しのころは夜討ち朝駆けでデカ(刑事)さんのところへ行ってもネタが拾えなくてね。文章は得意なんだけどネタ取りが下手だったんですよ」と弱点をさらけ出す。