「こんな馬場だから、前半はある程度ついて行こうと思った」という岩田騎手はワイルドワンダーを中団のインへ入れた。勝つときはすべてがうまくいくもの。3コーナー手前で好位を追走していたトウショウギアが故障を発症し、逸走するアクシデント。外を通った馬は不利を受けたが、ワンダーは終始、内でスムーズに流れに乗った。直線でゴーサインが出ると力強い差し脚を繰り出し、一気に突き抜けた。
「理想的な展開。直線はひと呼吸おいて外へ出せたし、もともと千四から千六がベスト。この馬の力がフルに出せた」と岩田騎手は会心の騎乗に胸を張れば、久保田師も「いつもあと一歩、捕らえきれなかったが、ゴール前できっちりつかまえたあたりが成長でしょう。完勝だったね」と笑顔を見せた。
いよいよ次は大一番のフェブラリーS。「勝って本番へ行きたかったから、いい結果を出せて良かった。距離が長かったJCダートでも底力を見せてくれたし、マイルくらいが合う馬だからね。叩き2戦目でいい状態で迎えられるよう、頑張ります」と師は力強く締めくくった。