Rソックス松坂番の記者が嘆く。「ボストンのファンから、お前たちはいい加減な連中だ、と白い目で見られているんですよ」と。
その理由を「松坂は前評判とは違う投手じゃないか。松坂は、日本では負けない投手だ、と日本の記者はみんな吹いていた。ところが勝ったり負けたりの二流投手ではないか。ヤンキースがずっこけてなんとかワールドチャンピオンになったからいいようなものの、負けていたら松坂はA級戦犯だというわけですよ」
松坂の今シーズンは15勝12敗と期待を裏切り、防御率も「4.40」とひどいもので、味方打線が5点取らないと勝てないというものだった。
「大リーグのファンは野球に詳しい。特にボストンファンは手厳しいことで知られている。投手に関しても防御率を重視している。この辺は勝利優先の日本のファンと大きく異なるのではないか。松坂の力がそれほどでもないことをファンは見抜いたということだね」とは地元ジャーナリスト。
レッドソックスのファンをもっとも怒らせたのは、松坂の年俸と成績である。今シーズンの年俸は633万ドル(約7億円)。1勝4600万円というからぜい沢な結果となっている。
「米国のファンはシビアですからね。特にお金が絡むと厳しくなる。サブプライムローンで自宅を手放す一般人が増えていることもあって、東洋の小島から来た小兵投手になんであんな高給を払う必要があるのか、というわけですよ。この辺りは社会の中の野球という捉え方をする米国らしいといえますね。日本では考えられない批判ですよ」(松坂番記者)
対照的に大評判なのが岡島。あの変則的フォームと大きなカーブ、チェンジアップで殊勲甲の働きを見せた。「オカジマがいなかったらヤンキースに追い抜かれていただろう」と同僚に褒められたほどである。また「ダイスケをオカジマが救ったね」と皮肉る声さえチーム内にあったという。
その岡島の年俸は125万ドル(1億4000万円)。成績は3勝2敗5セーブで防御率は「2.22」という素晴らしいものだった。
現地マスコミによると「レッドソックスのオーナーが岡島の思わぬ活躍に感激して臨時ボーナスを出すのではないか」とウワサさえ流れているほどなのだ。チームメートたちも「オカジマの年俸は安すぎる」と援護射撃をしているそうである。
このような動きは「松坂に対するアテつけですね。安いから上げろ、と岡島に言うことは、松坂に高いから返上しろ、と言っているのと同じことです。まあ、松坂はノーテンキですから分かりませんがね」(松坂番記者)と取られている。
松坂は複数年契約の保護の下、ニコニコしながら帰国。子ども野球教室で楽しく遊んでいる。間もなく2人目の子どもが生まれることもあってルンルン気分で故郷の生活をエンジョイ中である。
「来年も優勝に貢献したい」ともっともらしいセリフを吐いている。ところが球界の先輩たちは「遊んでいないで練習しろ」「来年は勝てないぞ」などとキツい言葉が続く。来年は松坂の真の姿を日本に伝えてほしい、と日本のマスコミに言いたいものである。