インフルエンザが猛威を振るおうが、記録的猛暑が続こうが、鉄の女は元気いっぱいだ。
「ケイコが終わった後でも尻尾を振ってやる気を見せている。それぐらい元気だね」と高橋成師は目を細めた。サンレイジャスパーが重賞連覇をしっかり視界に捕らえている。
昨年もサマーシリーズは活躍したが、今年はそれを上回る大車輪。小倉記念は3角からのロングスパートで、直線は大外一気。エンジンのかかりが遅いウイークポイントをしっかりつかんだ佐藤哲騎手の好騎乗に導かれ、獲れそうで獲れなかった重賞タイトルをついに手中に収めた。
その後はここ目標に乗り込まれた。中止になった札幌記念から急きょ登録してきたライバルと比べればはるかに調整過程では優位に立っている。
「暑い時季でもうまく体調は維持できている。直線の長い新潟は合うし、ハンデも問題ない」前走から2kgアップの55kgも大丈夫。それは確かな地力アップに対する信頼でもある。
インフルエンザ騒動の影響で開催が順調に行われるか、まだ流動的だ。師は言った。「何とかサマーシリーズを成立させてほしい。それだけチャンスだと思っているんだ」と力を込めた。
過去、小倉記念と新潟記念を同じ年に連覇した馬はいない。史上初の偉業を達成すれば、サマー2000王者は決定的となる。その先には秋の女王の座も見えてくる。
【最終追いVTR】坂路で単走予定だったが、他陣営の馬を追いかけていき、併せ馬の形になった。そのために時計は800m50秒7と予定より速くなったが、それだけ体調がいい証拠。前走の小倉記念同様、気配は文句なしだ。