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マツダ&スズキを巡る自動車業界再編

 自動車業界に再編の嵐が吹き荒れそうだ。焦点の一つはスズキ。同社は独フォルクスワーゲン(VW)との提携解消に向けて国際仲裁裁判所での調停が進行中で「早ければ10月、遅くとも年末には結論が出る」(関係者)見通し。19.9%出資するVWとの“協議離婚”を求めるスズキの主張が通ればともかく、もしVWによる株式の継続保有が認められれば、これを“種玉”とする敵対的買収、即ち空前の乗っ取り騒動に発展する。

 しかし「どんな裁定が下ろうともスズキの非常事態は避けられない」と業界筋は打ち明ける。スズキは伊フィアット(フィアット・クライスラー・オートモービルズ)とディーゼルエンジンの分野で提携しており、もしVWとの離婚が認められた場合、今度は「野心家のフィアットがスズキに急接近するのは確実」(同)と見られているからだ。

 一方、再編の目玉という点ではマツダも負けていない。同社に公然とラブコールを送っているのは、これまた伊フィアット。既にスポーツカーの共同開発でクサビを打ち込んでいる。その意味ではスズキとの“二兎作戦”だが、そこへ待ったをかけるべく切り崩しを図っているのが、トヨタと米フォードだという。業界首脳が解説する。
 「マツダが独自に開発した省燃費エンジンのスカイアクティブは、トヨタにとって喉から手が出るほど欲しい技術。今は疎遠になったとはいえ、一時は社長を派遣したフォードも同様です。トヨタが惜しげもなくHV技術を供与したのも、自陣に引き込むためのアメ玉作戦に他なりません」

 フィアットは米ビッグ3の一角だったクライスラーを買収したようにM&Aには貪欲。これに対抗すべくライバルが公然と牙を研ぐ。
 この年末、スズキ、マツダ争奪戦が一気に白熱する。

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