今から4〜5年前のとある深い夜の電車内を写した一枚であるのだが、写真の右下部分にご注目いただきたい。一人の女性と思わしき人間の顔がボンヤリと映っているのがおわかりいただけるだろうか。女性の顔には覇気はなく、虚ろな目をして座っているように見える。
撮影者の深琴さんと写真を譲り受けた中沢氏はこの女性の正体を「霊」ではないかと睨んでいるという。
この写真が撮影された経緯を説明しよう。深琴さんは数年前にこの写真をブログにアップ。内容はこの怪しい女性のことではなく「つり革の長さが一本だけ違う」というホノボノしたもので、乗客のプライバシーを考えてあえて誰もいない車両を選んで撮影されたものだという。写真は無事にブログにアップされたのだが、後日コメント欄にファンから「不気味な女性が写っている」と指摘され彼女は改めてこの女性の存在に気が付いたという。
非常に不可解な今回の事件。普通に人が写りこんだだけとも考えられるが、以上の証言が事実であるなら、紛れもなく霊の姿をとらえた貴重な一枚と言えるだろう。
山口敏太郎事務所は今回の事件のあらましと写真を風水師・霊能者のあーりん女史へ緊急の鑑定をお願いした。
「この女性からは死霊独特の気配が感じられないですね。背景に溶け込むような暗い色の人物ですが、灯りは電車内の電灯だけなので向かいの座席から携帯電話の撮影なら、光が足らなくて暗く写ってしまいます。写っている女性は、黒髪で黒い服の人物と思われ、座席に座って白いイヤフォンで音楽を聴いているようです。死霊の気配がないので、生霊の可能性も捨てきれませんが、生霊なら強い感情を感じられるはずです。しかし音楽を聴きながら座っているようなので、生きてる人の可能性が非常に強いです」とのことであった。
あーりん女史は生霊の可能性を示唆しつつも、いわゆる霊の姿とは言い切らなかった。
実際、このように電車内で謎の顔が写る心霊写真は数多く報告されている。一般的には窓の外に人の顔のようなものがボンヤリと写り混むものが広く知られており、その正体は電車に向かって飛び込み自殺をした人間が死にきれずに浮遊霊となって現れるケース、先祖の背後霊がガラス窓に写りこむケースなどが多いという。
今回の写真はどちらにも当てはまらず、窓の内側に写りこんでおり、イヤフォンで音楽を聴いている、という現象は非常に珍しいといえる。
なお、撮影者の深琴さんはこの写真以外にも数多くの心霊写真を撮影しており、金縛りや悪夢に悩まされた経験もあるという。
果たして、今回撮影された女性は生霊だったのであろうか。山口敏太郎事務所は改めて今回の写真の再調査に乗り出している。
文:穂積昭雪(山口敏太郎事務所)