リザーブカードは5歳のこの時季にしてようやくその素質が花開いた。
今年は重賞を4戦して(11)(7)(4)(2)着。とくに、休み明けの前走・関屋記念は究極の上がり(3F32秒6)で0秒2差2着。自身初の重賞連対を果たし、オープンでのメドを完全に立てた。担当の渡部調厩員が躍進の理由を説明する。
「昔はレース前にゲート練習をやっていたけど、今は必要ない。ゲート内で全然悪さをしなくなったし、ちゃんと競馬ができるようになった。まだ気が勝っているところはあるが、だいぶ大人になったよね」
思い起こせば、今年、栗田厩舎に1999年以来の重賞をプレゼントしたヤマニンメルベイユ(中山牝馬S、クイーンS)も6歳と遅咲き。「(リザーブの)素質は感じていたが、先生は焦っていなかった」(同調厩員)厩舎の方針が、大器晩成型の両馬に“ハマッた”形だ。
また、引き続き騎乗する蛯名騎手とは(2)(3)(3)(2)(2)(9)(1)(1)(2)(2)着の好相性。馬券圏内を外したのはわずか1度だけだ。中間もここ目標に順調そのもの。「1週前追い切りにまたがった蛯名さんが『関屋記念の時よりいいんじゃないか』と言っていた。本来は夏に弱い馬だが、今年はうまく乗り切れた。疲れもなく元気いっぱいだし、厩舎の勢いに乗りたい。ぜひマイルCSに出したい馬だからね」と渡部調厩員は意欲を見せる。
栗田厩舎の遅咲きが、秋競馬のオープニングを飾る勢いだ。