今朝の最終追い切りは内田博騎手を背に、単走で半マイル52秒4→38秒1→12秒3(G仕掛)を計時。ゴール前で鞍上が反応を確かめるように軽く仕掛けるとスッと脚を伸ばし、軽やかなフォームでゴール板を駆け抜けた。
引き揚げてきた内田博騎手は「予定通り。長距離輸送を考慮してセーブして乗ったが、反応は良かった。スピードに乗るとやっぱり速いね」とニッコリ。追い切りの様子を見守った出川龍師も「トモの力がかなりついてきた。この年頃の牝馬とは思えないくらい落ち着いている」と手放しで愛馬を褒めた。
ただでさえ狭き門となっている地方馬の桜花賞出走は、笠松のライデンリーダー以来12年ぶりの快挙となる。そのライデンリーダーはデビューから11連勝でTR・4歳牝馬特別(現フィリーズレビュー)を突破。いまやJRAのトップジョッキーとして活躍する安藤勝騎手を背に堂々の1番人気で桜花賞に出走したが、結果は4着に終わり、GI制覇の夢は果たせなかった。また、近年では道営のコスモバルクが牡馬クラシック戦線をわかせたものの、戴冠には至っていない。
夢の続きを引き継ぐべく中央で2連勝と快進撃を続けるエミーズ。前走のアネモネSでは、外枠不利とされる中山1600mで14番枠ながら、直線あっさり抜け出し勝利。堂々と本番への切符をつかみ取った。
女王候補筆頭のウオッカとは初対戦。今回は相手の土俵(阪神)とあって分は悪いが、トレーナーは「気持ち的には面白いと思う」と追う者の強みを強調。合わせてオークス出走権(4着以内)の確保にも絶対の自信をのぞかせた。「距離は延びた方がいいと思うし、今度は向こうが(東に)来る方だからね」とズバリ。最高の舞台で輝きを放つ愛馬の姿に思いを馳せていた。