おぎやはぎが人力舎に入所した当時、若手の中では一番先輩だったアンジャッシュがライブを牛耳っていたという。児嶋一哉派閥と渡部建派閥に分かれており、ギスギスしていたそう。その頃の若手芸人と言えば、他の芸人がネタをしても笑わず、ライバル心を燃やしていたような世界。そんな殺伐とした雰囲気のところへ、おぎやはぎがやってくることになるのだが、とにかく矢作は誰よりもネタを見て笑っていた。ネタが面白い芸人を褒めまくったのだ。
「ラジオ『佐久間宣行のオールナイトニッポン0』(ニッポン放送)にて、ゲストで来た構成作家のオークラ氏が、矢作について語っていました。彼がどんどん革命を起こし、芸人たちは矢作に笑ってもらいたい一心で、ネタをするようになったそうです。そうした矢作の行動が、事務所の雰囲気を変えて、今のようなアットホームな会社になったようですね。また、番組では、バナナマン、ラーメンズ、おぎやはぎのユニット『君の席』についても振り返っていました。バナナマンの設楽統とラーメンズの小林賢太郎がバチバチやり合っていた時、最終的に美味しいところは全部、矢作が持って行ったとのこと。オークラ氏曰く、『それが一番うまくいった』らしく、矢作がユニットの精神安定剤になっていたんでしょう」(エンタメライター)
ほかにも、人力舎のメンバーで地方へ営業に行ったことがあった。同じ事務所に所属する北陽・虻川美穂子には、ある秘密があったのだが、その秘密が露呈され、芸人が彼女をイジる流れになったという。彼女が泣き出してしまったところ、矢作は「やめろ! 泣かせてまで笑い取ったって意味はない!」と一喝して、その場を収めたことがあるのだとか。
芸人としても人としても尊敬されている矢作。設楽曰く、彼は「芸能界の永久パスポート」を持っていると言われている。今後も彼が活躍するたびに、伝説は作られていくことだろう。