発表された指針では、コース料理を予約しながら当日来店しない「無断キャンセル」が発生した場合は料金の「全額」を、そして席だけを予約しキャンセルした場合は、平均客単価の5割程度を利用者に請求できるとした。このような指針は、初めてのことになる。
これまで無断キャンセルが発生した場合、店側は泣き寝入りすることが多かったが、このような行為は民法上の債務不履行などに当たると判断。「キャンセル料は請求可能」として、指針を策定した。
ただし指針に法的な強制力はなく、あくまでも目安。また、「どのように請求するのか」「どのように個人を特定するのか」などに課題が残る。そしてキャンセル料の請求については、利用客に基準を明示し説明するなど透明性のある運用が前提となる。
今回業界が指針を策定した背景には、「無断キャンセル」の増加がある。ネットで簡単に予約を取ることができるようになったため、その弊害として簡単に無断キャンセルする人間が増えてしまったのだ。
店側は大人数の無断キャンセルがあった場合、当然食材や料理は無駄になってしまう。その被害額は店の経営を圧迫するもので、死活問題となっている。
無断キャンセルの被害件数は年々上昇しており、なんらかの対策が求められていた。完璧とはいえないが、今回このような指針が出たことは無断キャンセル抑止の第一歩となるだろう。
11月以降忘年会で「予約」が増える時期。指針の有無にかかわらず、「無断キャンセル」は迷惑行為だ。キャンセルする場合は店に必ず連絡を入れるようにしてもらいたい。