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高校時代からの積年の恨み

 今年4月、高校時代の同級生だった男性をナイフで刺して重傷を負わせたとして、都内のアルバイト、藤田和也(20)被告が殺人未遂と銃刀法違反の容疑で警視庁に逮捕された。当時の報道によると、動機については「高校時代からの積年の恨みがあった」と話していた。20歳の若さで、何ゆえそれほどの恨みを抱くほどになったのか。7月17日、東京地裁で藤田被告の公判が開かれ、その背景が明らかになった。

 情状証人として出廷した母親は、高校時代の藤田被告と被害者の関係についてこう語った。
 「息子の性格が変わったのは高校2年生のとき。Sくんによるイジメだったと思います。1万5000円を取られたって言っていたり、ゲームキューブを持っていかれたということで、どちらも何度も催促したけど戻ってこなかった、と本人から聞きました」

 さらにこう続ける。
 「すれ違ったときに叩くとか、弁当に消しゴムのカスやジュースを入れられた、女の子の胸を揉むように執拗に言われた事がある、と」

 また、当時の藤田被告は「生まれなければよかった。アイツが死ぬか俺が死ぬかのどちらかだ」とも語っていたといい、思い詰めていた様子が窺える。

 グレーのTシャツにジャージを着て、無表情で被告人席に座っていた藤田被告は、被告人質問で動機をキッパリと「仕返しです。イジメを受けていて」と述べた。

 検察官「なんで今更仕返ししようと?」
 藤田被告「今更…?」
 裁判官「今回の事件、あなたの行動にどんな問題があったと思いますか?」
 藤田被告「加害者側の心に問題があったというんですか?」
 裁判官「3カ月、勾留されてどうですか?」
 藤田被告「酷い事してしまったと思ってます…」

 やはり、やり取りの端々に消えぬ恨みが見え隠れする。しかし、一方の被害者は調書で「一方的にいじっていた訳ではない。お互い友だちだと思っていた」と語っており、両者にはかなりの温度差があった。
 イジメられた側の心の闇は深い。

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