前走のスワンSから7カ月半ぶりの出走となるが、「もともとがカリカリした気性で仕上げやすいタイプ。放牧明けでも問題ないよ。それにケイコの動きがとてもいい。勢いを感じる」。笑みを浮かべながら、橋口調教師はうなずいた。
その言葉通り、調教は栗東坂路で入念に行われている。3日には800メートル51秒0→39秒1→14秒1。7日にも53秒8→38秒8→13秒0と好タイムを叩き出している。
「涼しくなってくるとすぐ冬毛が伸びてきてデキが落ちてくるけど、その半面、暑い時季は本当に調子がいい。それに比例して成績がいいんだ」といきなり動ける態勢を整えてきた。
快速で鳴らしたサクラバクシンオーの産駒らしく、平坦の小回りコースは大の得意だ。昨年のこの舞台は5着に終わっているが、当時はまだ仕上がり途上だった。それでもGIホースのスリープレスナイトに0秒4しか負けていない。今の仕上がりで、今年の相手なら、勝つチャンスは十分あるだろう。
「今年は、このレースはもちろん、アイビスSD、北九州記念、そしてセントウルSも狙っていく。ハンデの55キロも妥当だし、サマーシリーズが開幕する前に弾みをつけたい」
心底ほれ込んだダービーのリーチザクラウンは惜しくも2着に終わった橋口師だが、その分も、夏の主役を譲るつもりはない。
【最終追いVTR】武幸騎手を背に、坂路で強めに追われ、軽快なフットワークを披露した。800メートル50秒3→38秒2→13秒7。前半で行き過ぎたため、後半は押さえ気味となった。まだ体に余裕はあるが、道中はスピード満点の走り。態勢は九分通り整った。