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「今年の漢字」締切せまる!

 世相を表す漢字一文字で一年を振り返る「今年の漢字」は、財団法人日本漢字能力検定協会の恒例行事。公募で最も応募の多かった漢字が「今年の漢字」となる。12月12日の「漢字の日」にちなみ、12月中旬に清水寺の森清範貫主が大きく毛筆で揮毫する。その後は清水寺「奥の院」のご本尊・千手観世音菩薩に奉納する儀式が行われるそうである。

 書店などに設置された応募箱での受付は1日に終了。郵送での投票は3日必着だが、同日中なら漢検の公式サイトにある専用フォームからの応募も可能。僕は「海」を投じてみた。応募理由欄には「龍馬・捕鯨・尖閣・大和など、海に関する出来事が多かった」ことを挙げた。「波」や「浪」も捨てがたい。

 「今年の漢字」が始まったのは1995年で、今年で15回目。初回の漢字は「震」で、阪神淡路大震災や地下鉄サリン事件、金融機関の倒産などを表していた。以降、96年「食」97年「倒」98年「毒」99年「末」と続く。「末」は世紀末と末広がりをかけていたというから気が利いている。

 更に2000年「金」01年「戦」02年「帰」03年「虎」04年「災」05年「愛」06年「命」07年「偽」08年「変」と続き、民主党政権やオバマ大統領が誕生した昨年は「新」。過去に同じ漢字が選ばれることはなかった。昨年の応募総数は161,365通で過去最高。そのうち1位「新」の応募数は8.73%で、2位は「薬」6.31%、3位は「政」3.32%だった。

 それにしても「今年の漢字」には驚嘆させられることが多い。多数決の一般公募でここまで見事に世相を表せるものなのかと。民主主義を衆愚政治と揶揄する人もいるが、民衆はそんなにバカではないことを証明してくれているように思う。とはいえ最近は何でもパソコンなどの文字変換機能で済ませてしまうため、漢字の読みは何とかなっても書き方を忘れてしまうことが多い。英語力が問われることも多い昨今だが、母国語ができないのもどうかとは思うので、漢字検定を受けてみたい気もする。

 手書きで書くものといえば年賀葉書もそのひとつ。印刷で済ましてしまう場合もあるが、手書きを添えると好印象だと言われる。実は郵便事業株式会社の特設サイト「郵便年賀.jp」に「今年の一文字」というものも登場している。これはTwitterで最も使った漢字を教えてくれるサービス。僕は「思」だった。Twitterを使っている方は、試してみては。(工藤伸一)

・財団法人日本漢字能力検定協会:2010年「今年の漢字」
http://www.kanken.or.jp/years_kanji/index.html
【応募期間】2010年11月1日(月)〜12月3日(金)必着
【発表】2010年12月10日(金)京都清水寺にて

・郵便事業株式会社:郵便年賀.jp「今年の一文字」
http://www.yubin-nenga.jp/hitomoji/

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