そんな中、千原兄弟・千原せいじが「奇跡」を起こしまくっているのが、『世界の村で発見!こんなところに日本人』(ABC朝日放送・テレビ朝日系)だ。現在、せいじがアフリカ54カ国に住む日本人全員に会いに行く企画が進行している。
番組がレギュラー化する前からカウントすると、せいじの“アフリカントラベラー”としてのキャリアは、およそ10年。すでに、訪れた国の数は半分を突破している。今後、国の数を順調に伸ばせるか、改編期を乗り切り番組が継続するのかは、せいじの腕にかかっているといっても過言ではない。彼は今、ゴールデン番組の“キーマン”なのだ。
通常の1時間枠に加えて、盛んに2時間、3時間SPが組まれるあたりに、同番組の局からの信頼がうかがい知れる。必然的に、「アフリカントラベラー」の尺も増える。そこでおのずと出てくるのが、せいじの素の人となりだ。
彼は、人見知りをせず、初対面の相手に遠慮せずズケズケ物を言える。時には同行したスタッフと言い争うこともある。口からついて出るのは、超過酷すぎるロケに疲弊して、「しんどっ」「クズか」「地獄や」「考えられへん」「信じられへん」「暑っ」というグチだ。それでも毎回必ず、爆笑と感動を量産している。弟のジュニアが「残念な兄」と命名したせいじの真骨頂は、こんなところにあるのだ。
想像を上回る奇抜な言動を挙げると、枚挙にいとまがない。エチオピアでは、レストランで伝統料理を食べている現地の人に「ちょっとちょうだい」とお願いし、勝手に試食。ガーナ共和国では、「夜は危険だよ」と忠告した現地民に、「じゃあ、食事できる場所まで連れて行って。おごってや!」とおねだりした。
さらに同国では、バスで隣に座った19歳の青年から恋愛相談を受け、その場で告白するように指南。夫婦に夜の営みの回数を聞き、「毎晩」と答える男性に対して、「俺は月1(回)」と謎のカミングアウトもした。これらをすべて、会って数秒、数分しか経っていない初対面の人間に対してできるのだから驚きだ。
3月13日放送分ではマラウイ共和国を訪問。巨大湖のマラウイ湖にしかいない新種の魚を見つけた。せいじは「SEIJI」と名付け、専門機関へ調査依頼をするが……。結果は4月10日にオンエアされる。