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K-1 セーム・シュルトUFC流出危機

 K-1戦士が流出危機にさらされている。米国の金網格闘技イベント「UFC」が水面下でK-1スーパーヘビー級王者のセーム・シュルト獲得に動いていることが判明した。最近ではK-1を主催するFEGから秋山成勲がUFCに流出したばかりで、K-1のリングから、さらなる離脱者が出る可能性もはらんでいる。

 「UFCが2009年の最初の興行として、アイルランドのダブリンで1月19日に開催した大会で、K-1の絶対王者シュルトが所属ジムのマネージャーとともに大会後、UFCサイドと接触しました。どこまで具体的な話をしたのかはわかりませんが、参戦の可能性を探って話し合いを持ったのは確実なようです」(某格闘プロモーター)
 シュルトが所属するゴールデングローリーの関係者を伴い、UFCを主催するズッファ社と交渉のテーブルについたということは、K-1のリングを去る可能性があるということだ。
 事実、シュルトは昨年9月のワールドGP開幕戦でピーター・アーツに敗れてからはK-1に出場していない。昨年末は例年出場していた大みそかの「Dynamite!!」にも参戦していない。K-1ヘビー級大会の開幕興行となる14日の横浜アリーナ大会にも参戦の予定はない。現スーパーヘビー級王者ながら防衛戦の予定もないままだ。

 K-1GPで前人未到の3連覇を果たし、絶対王者として欠かせない存在だったが、こうしてフェードアウトするのは必然的な流れなのかもしれない。前出関係者が続ける。
 「K-1サイドがモンスター路線からの脱却を宣言したり、ここ数年は優勝しても評価されないことで、気持ちが離れつつあったのは間違いない。それにハッパをかけるように、DREAMでの総合格闘技転向を促された。シュルト自身がそれなら、より高額なファイトマネーを得られるリングを求める気持ちになったんだろうね」
 K-1絶対王者のUFC流出話。なにやらUFCサイドにも、このタイミングでシュルトを獲得したい思惑が見え隠れする。
 「UFCは6月にドイツでの大会を控えています。当初は同大会のメーンにランディ・クートゥア、チャック・リデルらを予定していましたが、クートゥアが手術、リデルも4月の大会に出場することが決まっているので、6月の出場は厳しい。そんな懐事情と欧州での興行戦略を考える上でシュルトに白羽の矢が立ったというわけ。しかもその後、UFCは100回記念興行もありますから、とにかく注目選手が必要なんです。この先、K-1の選手に手が伸びる可能性は十分あるでしょう」(前出関係者)
 かねてから対UFC路線を掲げてきたK-1だけに、選手が米マットに続々と流出するのは避けたいところ。果たしてシュルトの流出を阻止できるのか、今後の展開に注目だ。

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