27日に更新された日本相撲協会の公式ツイッター。そこには「相撲教習所で362期生、363期生の卒業式、366期生の入所式が行われました」という一文と共に、卒業式に臨む力士たちの様子や、彼らに卒業証書を手渡す所長の山響親方(元前頭筆頭・巌雄)を収めた写真が添付されている。
また、その後のツイートの中では、3月4日配信記事でも取り上げさせてもらった納谷(東幕下60枚目)と豊昇龍(東幕下56枚目)の2名や、佐渡ヶ嶽部屋の力士6名が卒業証書を携えた写真などもピックアップされている。彼らを含めた卒業生一同は、この日を晴れやかな心情で迎えたことだろう。
1957年に創設された相撲教習所は、その名の通り相撲に関する様々な内容を教わる施設であり、角界の門を叩いた力士は誰であれ原則半年間の受講が義務付けられている。冒頭で触れた貴乃花親方も、9月場所で41回目の優勝を飾った白鵬(西横綱)も、そして、その白鵬と凌ぎを削った豊昇龍の叔父の朝青龍(元横綱)も、みんなここから羽ばたいていったのだ。
ちなみに、前述の通り現在は山響親方が務めているこの施設の所長だが、過去には貴乃花親方(2010年2月〜8月)や納谷の祖父である大鵬(元横綱/1994年2月〜1996年1月)も所長の任に就いている。こうした角界の大先輩たちの指導の下、後輩たちは脈々と受け継がれてきた“相撲道”を学び、今後の活躍を強く心に誓っていく。
今回晴れて卒業となった力士たちは皆、これからの角界を担っていく未来ある人材である。土俵外が騒がしい昨今ではあるが、彼らにはその喧騒に惑わされずに伸び伸びと育ってもらい、ゆくゆくは相撲教習所で語られるような立派な力士に大成してくれることを大いに期待したい。
文 / 柴田雅人