シリーズ連覇を狙うための電撃参戦…当初、カノヤザクラはシリーズ最終戦となるセントウルSまで待機する予定もあったが、陣営はアイビスSDに続いて厳しい夏場の戦いへと挑むことを決断した。
「ここを勝てば、ほぼサマーシリーズ制覇が決まる。だから調子のいいうちに使っておこうと決めたんだ」。橋口調教師は今回の出走経緯についてこう説明する。
昨年はアイビスSD→セントウルSを連勝してシリーズチャンピオンに君臨した。今年もまずはアイビスSDを制したが、昨年とは異なる点がある。レース後のダメージが少なかったことだ。
1週前追いでも栗東坂路で800メートル54秒8、ラスト1F12秒8(一杯)をマーク。夏女らしいキレのある動きを見せている。「前走後は疲れもなく、しっかりケイコができている。前走でも具合は良かったけど、今回は同じくらいかそれ以上」。アイビスSDから中3週。北九州記念を使えるのは、体調の良さの裏返しでもある。
これまで重賞勝ちは3つあるが、ともに広い新潟と阪神でのもの。小倉コースは一昨年の北九州記念(5着)以来の参戦となる。「小回りよりも前走のような直線競馬の方が向いている。ただ、アイビスSDではあれだけ上手にスタートが切れた。あの感じなら小倉でも不安はないよ」と指揮官は自信を見せる。
今回の結果次第ではセントウルSへの出走も予定しているが、陣営の内はここでシリーズチャンピオン当確。それに応えるだけの準備はできた。「シリーズ制覇するのだって難しいのに、2年続けてそのチャンスに恵まれた。だからこそ何とかここで決めたいね」。加速度を増した夏女がギラギラと燃える。