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シネマレビュー「ウォッチメン」

丸の内ルーブルほか公開中
パラマウント・ピクチャーズジャパン配給

 1985年、アメリカ合衆国はいまだニクソン大統領が政権を握り権力を欲しいままにしている。ソ連との間で一触即発の緊張関係が続き、漠然とした不安感が社会を包んでいた。10月のある夜。ニューヨークにある高層マンションの一室から一人の男が突き落とされた。殺された大男の名はエドワード・ブレイク。かつて“ウォッチメン”と呼ばれていた者の一人。死体のそばには、血のついたスマイルバッジが落ちていた。そのバッジは、彼が胸に着けていたトレードマークだった…。

 映画は、冒頭の事件の犯人がわからないまま、緊張感を漂わせつつ、ウォッチメンと呼ばれた人たちの特徴や過去に関してもたっぷり描きながら、全容が分かる終盤に向かっていく。暴力描写や性描写など刺激の強いシーンがあり、R-15指定作品。163分という長い映画だが、最後まで飽きることはなかった。

 ヒーローものと思ってしまうようなタイトルである。だが実は、特殊能力を持つ人たちが登場する、アクションもたっぷりのミステリー超大作で、大人のための娯楽である。監督は「300(スリー・ハンドレッド)」のザック・スナイダー。

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