この日、68席の一般傍聴席を求めて集まった傍聴希望者は399名にも上った。
「控訴審に被告人の出頭義務はないので、どうなるかと不安視されていましたが、木嶋被告はバッチリ登場。それも、赤地に白の水玉の明らかにパジャマのシャツに、下はグレーのレギンスという出で立ちで、一審の服装よりもだらしない装いでした」(司法記者)
木嶋被告は伏し目がちに現れ、傍聴席を見るともなく歩き被告席へ座った。一審のときは常に堂々とした振る舞いが目立っており傍聴席を悠然と見回す余裕もあったが、それに比べると若干大人しくなった印象か。人定質問では、消え入りそうな声で名前を名乗るが、生年月日のところは声がだんだん小さくなっていき、最後は聞き取れなかったほどである。
弁護側は一審と同様、3件の殺人や詐欺などについて無罪を主張。また、一審の裁判員裁判では、木嶋被告が逮捕のときに身を寄せていた“最後の男”と呼ばれる男性が証人出廷し、『木嶋被告と住んでいるときに自宅の火災報知器が外されていた』と証言していたのだが、これについて「起訴された犯罪を他の犯罪で立証する事は許されない」と激しく非難した。裁判員裁判の結果に影響を及ぼしかねないということのようだ。
「今後、証拠調べが行われることになりましたが、次回の期日は追って指定となり30分で閉廷しました。この日は、千葉のリンゼイさん殺害事件でも見られた熱烈な傍聴人“市橋ギャル”が傍聴しており、閉廷後に傍聴人が退廷を促されている時、前の方へ駆け寄って木嶋被告を舐めるように見ていましたよ」(同)
女も虜にする木嶋被告の控訴審が終わるのは、まだまだ先のようだ。