最大の注目株は何と言ってもホジャーだ。
かつてヒクソン、ホイスらが“最強神話”を築いてきたグレイシー一族に生まれ、幼少期から柔術の英才教育を受けてきたホジャー。2004年からブラジリアン柔術の世界大会「ムンジアル」で97kg未満級を4連覇。05年にはアブダビコンバットで無差別級、99kg未満級の2階級制覇を達成した。06年にはボードッグ・ファイトで総合デビュー。実力者のロン・ウォーターマン完勝している。07年にはムンジアルで悲願の無差別級を制するなど、ホジャーの卓越したテクニックは折り紙付きだ。
193cmの長身を誇りながら鋭い動きで相手を翻ろうする寝技技術はグレイシー一族史上でも最強との呼び声も高い。
その長身を巧みに使ったグラップリングでは長い手足を利し、常人では届かない位置から手足が伸び、相手に絡み絡み付く。加えてグレイシー流テクニックも加わるのだから1度“寝技地獄”に引きずり込まれたら最後、「もはや逃れる術はない」(陣営関係者)という。
脱出不可能な寝技を武器に、新時代の“グレイシー神話”をスタートさせる可能性は高い。
メーンでジョシュ・バーネットと対戦するジェフ・モンソンも不気味な存在だ。今回は旗揚げ戦で吉田秀彦相手に完勝し、戦極ヘビー級戦線の主役となったバーネットとの対戦。07年4月のPIRDE・34で藤田和之を撃破しており、ポテンシャルは高い。
そのモンソンは16日の会見でバーネットとの対戦に向けて弱気な姿勢。ただ、バーネットと親交が深く、練習も共にこなす間柄だけに、パーフェクトファイターの弱点を知っているはず。バーネットを撃破して一気に主役の座を奪ってもおかしくない。
第2試合で今大会唯一の外国人同士による一戦で激突するマイク・パイルとダン・ホーンバックルの2人も面白い。
パイルはUFC殿堂入りも果たしたランディ・クートゥアの愛弟子。40歳を超えてUFC王者となった米国の国民的ヒーローであるクートゥア仕込みのテクニックを武器に日本の地で一気にブレークする可能性を秘める。
一方、ホーンバックルは卓越したグラウンド技術に加え、自慢のモヒカンをなびかせる風ぼう。“キャラ立ち”もしており、人気を爆発させて不思議はない。
また、日本勢も粒ぞろい。旗揚げ戦に続く参戦を果たす川村亮は実力者のケビン・ランデル撃破でブレークを狙う。中尾“KISS”芳広は勝って悲願の藤田戦を訴えられるか。UFCでも結果を残している佐々木有生も大舞台で名前を売るチャンス。北岡悟もライト級の新鋭として注目の存在だ。
未知の強豪ひしめく戦極第2戦。この中から総合格闘技界のニュースターとなるのはいったい誰か。
(写真=ホジャー(左)とモンソン)