念頭の誓いを肝に銘じ、こん身の本命馬はアドマイヤジュピタだ。
一昨年春のゆきやなぎ賞を圧勝、“いざ、クラシックへ”とアドレナリンを大放出した矢先に飛節骨折が判明。クラシックは無縁に終わったが、入厩当初からそのポテンシャルの高さを評価されていた好素材。初重賞制覇の“勢い”に任せて挑むのか、それとも着実に一歩一歩、歩みを進めるのか、有馬記念に向けタイムリミットいっぱいまで悩み抜いて選んだ後者の一手。天皇賞、いや、ドバイ!?への夢を膨らますためにも、ここは必勝ムードが充満している。
無論、記者の揺るぎない自信の根源にあるのは、栗東中学時代の悪ガキ仲間の一人であるこの男の存在だ。
調教指南役として同馬の本格化を誰よりも肌で確信。昨11月、当初、自己条件を使う予定に待ったをかけ、進路変更を友道師に直訴。見事、格上挑戦のAR共和国杯をゲットさせた敏腕・杉村助手こそ、その人である。その彼がズバリとこう言い放った。
「有馬1週前の水曜日まで、馬も人も、もうギンギン。(近藤利一)会長のひと言で挑戦プランはなくなったが、あの状態の良さなら有馬にチャレンジしたって勝ち負けできていたと思うし、でっかい家が建てられたよ。中間はいったん、心身ともに緩めたが、もう斤量がどうの、相手がこうのというレベルの馬じゃなくなってる。まず、アクシデントさえなければ大丈夫」
今週も“岩田!”の絶叫とともに自身、いや、ご愛読者の財布を膨らましてみせる。