私は本能的に競争心が強い女だと思う。昔からテストや運動から、男の目を惹くことまで、どんなことでも負けたくはなかった。まだ恋愛経験がなかった時でも、友達に恋人が出来たと知ると、すぐに出会い系サイトにアクセスして大学生の恋人を作ったほど。かといってガツガツしているところを表で見せるわけでもなく、あまりやる気がなさそうに見せて実は裏でしっかりと下準備をしているというキャラだった。テストなんかでも「全然勉強してない〜」って言いながらきっちりと勉強する感じかな。とはいえトップになっていたかと言えばそうでもないんだけど、平均よりも上位にいるとわかるだけで、なんだか安心できた。
学生時代はそれなりに競うものがあったけど、大学を卒業して社会人になってからは、刺激のない毎日になってしまった。大人になって競える場所ってどこだろうと考えたら、それがキャバクラで働くことだったんだよね。だけど仕事終わりにキャバで働くのは、決して楽じゃないから週5勤務とかは断っている。そうすると給料はやっぱり専業の子の4分の1程度になり、トップになるのは難しい。でも負けたくないって思いがあるから、人生に活気が出てきた気がする。
私はルックスがそれほど優れているわけではない。だからこそ、話術、知識、マナーなどを本を読んで勉強しているのだけど、磨いた知識を試すのも楽しい。あとお客さんと話す上で癒しを与えるタイプの嬢は多い中、私は断然、楽しい話を心がけている。やっぱ若い子に元気を貰いにくる人って多いと思うから、どんなに疲れていてもテンションを上げ、甘えるんじゃなくて励ます側になりたい。まだまだナンバー1は程遠いけど、兼業キャバ嬢の中ではトップへいけるよう、これからもがんばっていくつもりです。
(取材/構成・篠田エレナ)