岩橋のように、パニック障害を告白したジャニーズタレントといえば、Kinki Kidsの堂本剛が思い出される。8歳のときに地元・関西で児童俳優所に入って、役者活動をはじめた剛。のちにジャニーズ事務所に入所して、関西ジャニーズJr.として多忙になると、高校生のときには『金田一少年の事件簿』シリーズなどで主演俳優になるというトントン拍子の芸能人生。ところが、このころはすでに発症しており、過呼吸によりコンサート中に倒れこんでしまうこともあった。
転機は、ソロのアーティスト活動。02年8月に1stソロアルバム『ROSSO E AZZURRO』をリリースしているが、収録した中の自作曲『Panic Disorder』で、病の辛さを歌詞にしたためている。また、自著『ぼくの靴音』(集英社)でも明かしている。
繊細でストレスや緊張感に対応できない人間が陥りやすい病気。突如として動悸、めまい、息切れ、呼吸困難、発汗、吐き気といった発作を起こしてしまうため、テレビ番組の生放送やコンサートといった撮り直しがきかない仕事には不向き。完治には、ストレスなき状況に身を置く以外にないといわれている。
「現在、主演ドラマ『僕とシッポと神楽坂』(テレビ朝日系)がオンエア中の嵐・相葉雅紀さんも、かつては芸能活動存続の危機に立たされています。02年3月、右自然気胸で緊急入院・手術を受けています。相葉くんのような痩せ型が罹患しやすい病気ですが、11年に再発。今度は左自然気胸で、安静加療を強いられました」(スポーツ新聞の芸能記者)
相葉はそもそも、身体が強いほうではない。そこにハードスケジュールとストレスが何層にも折り重なって、発症したようだ。同じく、メニエール病を再発させたことを理由の一つに、タッキー&翼を解散、ジャニーズ事務所を退所する今井翼の場合も、加重ストレスが大きな理由だ。
中居正広はSMAPが解散した翌17年1月中旬、気管支炎と肺炎を併発して1週間ほど入院している。さらに、歌手活動をしていた15年には喉にポリープができたため、入院して切除手術を受けている。同年、最愛の父・正志さんを亡くしているが、故人は亡くなる前年に喉頭ガンが見つかっていた。
華やかなスポットライトを浴びるタレントが抱える職業病。それは、回避不可の辛くも痛い現実だ。
(伊藤由華)