辻を「お人形ママドル」呼ばわりした世間も、なにもテレビ出演時の彼女の服装にまで文句を付けるつもりもなかったはずだが、その日の辻はいくぶん地味な服装だった。トレードマークの大きなおリボンが小ぶりな帽子に変わり、胸元はあいていたけどムラサキ色のシックなワンピース。心なしかキャピキャピのおバカ発言も控えめで、大人っぽくしていた。ご主人の杉浦太陽は、「天才てれびくんMAX」、「ROMES/空港防御システム」に続き、次の朝ドラ「ゲゲゲの女房」とNHKの出演が続き、すっかり堅実なパパタレントのイメージに成長。辻もそろそろ「おとなのママ路線」にシフトチェンジする時期か。
そんな辻の横に控える「キズナ食堂」のフィクサー、黒柳徹子。ファン・ジニみたいな左右不対象の髪型にもびっくりしたが、その週の休日11日の「徹子の部屋」での服装もすごかった。名俳優・小沢昭一をゲストに迎えての「爆笑15回扮装シリーズ!」で小沢氏の学生服に対しセーラー服姿で登場した徹子。今から35年前の放送開始時に行った扮装に再び挑戦したという。また、これまで14回の扮装シリーズから、「神主と巫女」「茶髪少年とガングロ」などの傑作VTR集も紹介されていた。どれもすごい。
テレビの歴史と共に生き、その深い感性とユニセフ大使の慈善活動が高い評価を受けている黒柳徹子。彼女のテレビでの服装に“驚く人”は多くても、批判する人は誰一人として聞いた事がない。人間としての中身の濃さが、外見のハデさを超えたお手本だろう。「辻ちゃん」はTV上で、服装うんぬんを気にする前に「キズナ食堂」で(高級牛とかさしみとか)何を食べても「甘い」って言うのをやめて、もっと気の利いたコメントを言えるように芸能人として成長すべき、話はそれからだ。