充実一途の4文字がまさにピタリと当てはまる。上がり馬テイエムアンコールが、一気呵成に夏の小倉王者の座を狙っている。
昨年の秋、1000万に再昇級後は(6)(6)(2)(4)(3)(2)(4)着とワンパンチ足りない競馬が続いていたが、今夏を境に1000万・長久手特別→1600万・垂水Sを一気に連勝。ともに2着に1馬身以上をつける完勝で本格化を印象付けている。
“善戦マン”を脱皮した最大の要因は折り合い面の成長。脚をためる競馬をマスターし、ここ4戦中3戦ですべてメンバー最速の上がり(3F)をマークしている。「ハマれば切れる」ムラ馬が、「いつでも切れる」確実性を身につけたわけだ。
斎藤助手も「昨夏はかなり引っ掛かっていたけど、馬に落ち着きが出てきて今はレースでしっかりと折り合える。以前のように最後の1Fが甘くなることもなくなった」と、かなりの成長を感じ取っている。
末脚を身上とするタイプだけに小回りコースはマイナス材料にとらえられがちだが、小倉は4戦して(3)(2)(2)(1)着と好相性。福島にも勝ち鞍があり、相当に高い適性がある。斎藤助手は「小回りだとジョッキー心理も手伝って意外と流れは速くなる。それがこの馬には合う。しかも、今回はコスモプラチナが引っ張ってくれる。ハンデも55キロだし、この間みたいな競馬ができれば面白い」とキッパリだ。
父は晩成型の産駒を多く輩出するオペラハウス。5歳にして完全に軌道に乗った今なら、破竹のV3で重賞を勝っても何ら不思議はない。