2度の雨天中止を経て、交流戦予備日の最終日まで消化がずれ込んだこの一戦。もし、今日も延期ということになれば、かなり話がややこしくなっていたことは想像に難くない。それだけに、これ以上の延期なく無事に試合を消化することができたことは、両チームにとって何よりだろう。ちなみに、試合は両者譲らず延長12回3‐3の引き分けに終わっている。
何はともあれ、無事に全日程を終了し最終成績が確定した交流戦。今回の戦いにおける両リーグ間の対戦成績だが、パ・リーグが59勝48敗1分で9年連続13回目の勝ち越し。6球団の内、楽天を除く5球団が貯金を作る結果となっている。一時はセ・リーグと対戦成績が並ぶこともあったが、結局終わってみれば11個の“貯金”をこしらえている。
一方で、12球団全体の最高勝率を記録し、交流戦を制したチームはセ・リーグ球団のヤクルト(12勝6敗)。セ・リーグが負け越したためもらえる賞金は目減りし、自軍選手がMVPに選出されることもなくなってしまったが、今後のシーズンにもつながるいい勢いを得られたことは間違いないだろう。
ヤクルトは“例外”であるものの、全体で見ると今年もパ・リーグの優位が際立った交流戦。また、前述の試合後に確定した交流戦の個人成績にも、その勢いは如実に表れている。
レギュラーシーズン終了後の表彰対象タイトルでもある、野手6冠(打率・本塁打・打点・安打・出塁率・盗塁)、投手6冠(防御率・勝率・勝利・セーブ・ホールドポイント・奪三振)。その各部門のトップだが、全てパ・リーグの選手が名を連ねており、セ各選手は勝率10割で並ぶ小川選手(ヤクルト)・藤嶋選手(中日)以外、タイトルを独占される活躍を許しているのだ。
ここぞとばかりに交流戦で猛威を振るう“実力のパ”。前述のリーグ間対戦成績も、ある意味当然の結果であるといえるのかもしれない。
文 / 柴田雅人