公判の中で最も注目を集めたのは検察官の質問がASKA被告ともに同法違反容疑で逮捕された栩内香澄美被告(37)に及んだ時だった。
検察官が容疑を否認し続ける栩内被告の覚せい剤使用について執拗に尋問を繰り返したのだ。
「ASKAは『彼女は使っていません』などと怒りを露わにしながら栩内の覚せい剤使用について完全否定したんです。おまけに公判では栩内を『大事な人です』とまで言い切った」(司法関係者)
ASKA被告の証言は裁判官の心証をかなり悪くしたという。
なぜASKA被告は己が不利になってまで栩内被告を庇おうとするのか。
「栩内被告は、人材派遣会社グループのN代表が同社の迎賓館で政財界、芸能関係者のVIPをおもてなしするために雇った“接待秘書”の一人だった。ASKAともこのパーティーで知り合いズブズブの関係になった。要は、栩内被告は裏を知りすぎているんです」(捜査関係者)
事実、ASKA被告の事件を立件した警視庁組織犯罪対策5課は栩内被告にいたく関心を寄せているといわれているのだ。
「芸能関係の騒動や事件には、よくN氏の名前が取り沙汰される。もちろん事件の当事者という話ではないが、押尾学事件の時にも名前が出ていた。大手レコード会社のA会長との交流も有名です。捜査関係者は件の迎賓館がドラッグの情報交換の場になっていた可能性もあると睨んでいます。そのキーマンが彼女なんです」(マスコミ関係者)
某暴力団幹部も「このルートはかなりのヤバ筋だ」と証言するほど。
「ASKAの薬物入手ルートとして、警視庁は指定暴力団住吉会系の組幹部らを逮捕した。ASKAの供述から足がついたが、MDMAの供給先としてその筋では有名で、ルートをたどると他の芸能人にもたどり着く。完落ちしたASKAだが、栩内だけは身を挺して庇っている。要はもっと怖いネタを栩内、もしくはその周辺に握られているとみるべきだ」(消息筋)
事件の闇は深い。