「GIで勝てる馬に乗ることなんてそう滅多にあることじゃない。だからこそ、是が非でもこのチャンスを生かしたい」
ペールギュントとコンビを組むデビュー16年目のベテラン・上村騎手が燃えている。2000年年の秋華賞のトーワトレジャー(3着)、そして05年のエリザベス女王杯でのアドマイヤグルーヴ(3着)…これまであと一歩のところで金星を逃してきた上村だが、その中で最もGIの勲章に近づいたのが今春の高松宮記念だった。
「馬自身にとってもGIを勝つ機会なんてそうない。そういう意味でも春は悔しい思いをした。だからこそ、ここで何とかしたいし、うまく前が競り合う展開ならこの馬の出番は必ず出てくる」この中間は馬インフルエンザの影響で予定していたセントウルSを回避、ぶっつけでのGI出走となった。しかし、春の高松宮記念がそうだったように厳しい条件を跳ね返すだけの底力がある。そして、何よりベテランが見せるGIへの執念…それこそが人馬にとっての悲願成就へとつながるはずだ。
【最終追いVTR】上村騎手を背にDWコース入り。前半は折り合いに専念して直線だけ追われた。鞍上の仕掛けに抜群の反応を見せて併走馬を豪快に1馬身差引き離してフィニッシュ。全体時計は6F85秒1と平凡だが、ラスト1F11秒9と切れた。気合乗り、馬体の張りともに悪くなく、久々も態勢は整っている。