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東国原知事“ナメた要求”の裏事情 自民党は次期総裁候補条件をのむ

 宮崎県の東国原英夫知事(51)は23日、県庁で自民党の古賀誠選対委員長と会談し、次期衆院選の出馬要請を受けて「次期総裁候補として戦う」などとする仰天条件を突き付けた。この“ナメた要求”に自民党内は怒り爆発。出馬を断る口実との見方もあるが、永田町関係者は「自民党は最終的に東国原氏の条件をのむ」と裏事情を読む。すべてデキの悪い“演出”だという。

 政権与党の要職である選対委員長がわざわざ宮崎県庁まで足を運び、頭を下げて出馬要請した回答が“次の総裁候補にしてくれるならいいよ”ではメンツ丸つぶれだ。
 そもそも麻生政権の支持率が急落する中、知名度抜群の東国原氏を担ぎ出して無党派層の票を獲得したいという自民党側の魂胆はミエミエ。それを逆手にとった東国原氏に高く売りつけられた格好となった。当然ながら党内の古参・重鎮議員の反発は強く、立候補が実現する見通しはいまだ立っていない。
 ところが永田町関係者は、「これほどデキの悪いマッチポンプは見たことがない」として次のように指摘する。
 「東国原氏は国政転身に意欲的であり、これまで何度も転身をチラつかせながら、結局は踏み切れなかった“ヘタレ”と見られている。自民党もまた、人気知事を担いだぐらいではどうにもならないところまできており、次期衆院選惨敗は避けられそうもない。そこで両者が“あ・うんの呼吸”で演出したわけですよ。何も『次期総裁にしろ』と言っているわけではなく、総裁候補にすればいいんだから」

 つまり、東国原氏が「総裁候補」として衆院選を戦うことで自民党の刷新感を打ち出すのがひとつ。さらに、選挙で与党の座を死守したあかつきには総裁選への出馬を認めればいいだけだというのだ。
 東国原氏は会談の中ではほかにも、国と地方の税源配分を5対5にすることなど全国知事会がまとめた要請を一言一句、自民党のマニフェストに盛り込んだ上で4年間で実現するよう約束することを条件に挙げた。古賀氏は具体的な回答をしなかったという。
 古賀氏は出馬要請した理由について記者団に「自民党が自浄能力を発揮して国民の審判を受けられるように変わらなければならない。今の自民党にない新しいエネルギーが欲しいのでお願いした」と説明した。選挙区に関しては具体的に提示しなかったが、自民党幹部は「立候補する場合は比例代表になるのではないか」としている。
 東国原氏をめぐっては昨年10月に中山成彬前国土交通相(宮崎1区)が衆院選不出馬を表明した直後、自民党が出馬を打診したものの、東国原氏が不出馬を表明した経緯がある。
 一方、古賀氏の今回の行動には「お笑い芸人(出身者)に自民党が笑われた」(幹部)と批判があり、党内の混乱につながる可能性もある。麻生首相は「人の去就の問題だ。おちょくったような気持ちで言っているとは思わない」と述べた。

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