「最近では、セックス分野でのボランティアもあるという」という記述があったからだ。
そもそも、(被災者が望んでいることを相談した上でボランティアすべきである)、という主旨の記事のようだが、それでもトンデモな印象は消えない。阪神大震災15年に寄せた記事の一節であり、もちろん「(国内で)(災害時に)セックスボランティアがある」、という意味の記述だったからこそ驚いたのだ。
確かに障害者のセクシャリティーを考え、性的介助士検定を画策している特定非営利活動法人ノアール、という団体もある。同団体のセックスボランティアの定義は、〔性行為奉仕の一歩手前〕であるそうだ。このように「セックス分野」のボランティアはあるようだが、災害時でのセックスボランティアの情報は、東京都の関連ボランティア団体に聞いてもなかった。また、日本で少なくともこういった活動に公費が投入されたことはないはずだ。
災害時のセックスボランティア、というのだから、通常のボランティアの人のうちセックスボランティア可能な人たちが、瓦礫の中や困った家々をナイチンゲールのように奔走して、抜きまくっている、ということだろうか。
そういう意味しかないだろう。
ひょっとして、男性の有志なのか。いずれ、ほんとうにボランティアの人が一部でもこんなことをしているのか。
いっぽう、「プロ」たる風俗嬢などが、災害現場を「奉仕」で動き回っている、というような裏っぽいソースを得ていたとして、だめなボランティア例として提示したいがためにあえて書いたのか?
でも、そもそもなぜこんな一行を阪神淡路大震災15年に寄せた記事で、わざわざ書いたのだろう…。
4大紙の書いた都市伝説的な一行であるといえそうだ。(了)