過去10年の連対馬20頭の年齢を見てみると、実に4歳馬が11頭、5歳馬が7頭。6、7歳馬が1頭ずつだから、この2世代が圧倒的にリードしている。そこで白羽の矢を立てたのは、伸び盛りの4歳馬ヒカルカザブエだ。
重賞勝ちはないが、潜在能力の高さを証明したのが前走の阪神大賞典。好位追走から4角でインをついて進出すると、直線はアサクサキングスとマッチレース。最後はハナ差2着に終わったが、ゴール前では差し返しにいく優れた勝負根性を見せつけている。
勝ったアサクサキングスが「さすがに疲れが出た」(寺島助手)というのに対して、こちらは元気いっぱい。事実上の本追い切りになった4月23日には栗東坂路で一杯に追われて800メートル51秒8、ラスト1F12秒8をマーク。キビキビした動きで駆け上がり、さらに上昇気配を漂わせている。
父は2002年の2着馬ジャングルポケット、母の全姉アドマイヤロードが3000メートルの万葉S勝ちという血統から、坂越えの3200メートルを乗り切るスタミナは十分備えており、先行、差し自在の脚質も魅力。陣営のムードも最高で、「折り合いがつくし、距離は問題ない。主役級の馬」と秋山騎手がいえば、岡田調教師も「前走は道悪は合わないのに頑張ったし、あの馬と接戦したんだからね。デキはいいし、GIでも楽しみ」と確かな手応えを感じていた。
ちなみに5月3日に春の天皇賞が行われたのは過去2回あり、1952年が1着ミツハタ、2着トラックオー、1998年が1着メジロブライト、2着ステイゴールドと、いずれも4歳馬がワンツーを決めている。
もう一頭の4歳馬モンテクリスエスとの3連単2頭軸マルチで勝負だ。